2016年6月7日火曜日

【翻訳】LSV’s Play: The Looter Problem/ルーター問題-解答編

LSVから出題された「ルーター問題」の解答編です。


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オーウェンからのコメント「LOOT!」にはかなり驚いたが、答えは『ルーターする』だ。

・状況

あなたの戦場には「マーフォークの物あさり」と、6枚の土地が全てタップ状態(山×3、島×3)
相手の戦場には「セラの天使」がいて、手札は0枚
あなたのライフは9、相手のライフは12

そして相手のターン終了前である。

あなたの手札には「噴出の稲妻

あなたのデッキの残りは以下の通り

1 支配魔法
2 ふるい分け
2 丘巨人
2 幻影の戦士
4 風のドレイク
4 ショック
6 山
5 島

・あらゆる選択肢を探す

お前の手札が最高ではない限り、ルーターだけがハンドを良くしてくれる。
事前に与えた情報では「噴出の稲妻」が2番目にいいハンドで「支配魔法」が1番だ。
ルーターによって「支配魔法」に1枚分近づく事ができ、それは「噴出の稲妻」を落とすというリスクを負ってでもやるべきだ。
相手から「セラの天使」を奪って勝てるのであれば「噴出の稲妻」を落とすリスクくらい些事だ。

これは一歩進んで所与の条件を無視しても言える:もしルーターを起動する事が可能で手札が最高と言えないのであれば、ルーターを起動する事で理想の手札に近づける。
この考えには落とし穴があり、今回深入りしたい訳だが、思考停止して『手札が理想じゃないなあとりあえずルーターする』と決めてしまっても幾ばくかは上手くいくと思う。

話が脇道にそれる

問題に示されたカードは意図して選んだものなので、あんま考え過ぎないようにして欲しい。
相手が「解呪」や「雲を負う蔦」を持っていたりとか、これはサイドボード後なのかとか、聞かれたがそれは論点ずれだ。
例えば俺が『お前の手札には2番目にいいカードがあってライブラリーの残りには最高の1枚と他にも決定打ではないが勝利に近づけるカードが入っている』なんて説明したとしてどうよ?

話を戻す


ルーターを起動する事で手札の質がよくなるが、落とし穴ってなんだ?


以下が説得力のある反論だ。

1・デッキの並び順次第だろう

例えばこれから4枚「稲妻」を引かなければ勝てない状況で1枚捨ててしまったら、そりゃ勝てない。
そう、ルーターには代償がある。仮に理論上よりよいカードがデッキに残っていたとしてもだ。
今回の例においてはまだ勝てるカードが大量に残っているので検討しない。

多くの人が主張していたのが『いいカードを捨てる事でデッキが弱くなっている』というものだ。
デッキの並び順なんか解らないのだから、一番強いプレイをした方がよくて、今回の場合「支配呪文」がルーターしないという判断より価値がある。
もし「支配呪文」が文字通りトップデッキにあるという事を知っているのならルーターは起動しないが、それ以外のどこかに入っているというのならばルーターすべきだ。
「支配呪文」が上から3番目以内にあるとしたら、セラ天が相手の盤面にいる状況を加味すると、「支配呪文」を使える事の方が「噴出の稲妻」を捨てる痛みよりよっぽど大事だ。

デッキの並び順が解らない以上、1枚でも多く見た方がいい。

2・「支配呪文」が最高の1枚とは限らない

今回の問題はあくまでも一例だから論点ずれだと切り捨てたいところだが、この主張は検討に値する。1番いいと信じているカードが本当に1番なのか考える事は大事だ。
仮にサイド後で相手が「解呪」を入れているとしたら「支配魔法」よりも「噴出の稲妻」の方がいいカードになる。
今回の問題は上の状況と違う。「支配魔法」が1番いいカードだ。

3・相手が「死を食うもの」「彼方の映像」「漁る軟泥」を持っていたらどうする?

相手がそういったカードを持っている事が明らかならおっしゃる通りなんだろうが、そういった状況は滅多にない。

以上だ。
大多数の反論は『トップがいいスペルで、ルーターによって別のいいスペルを捨てなければならないかもしれない』という恐怖だ。
デッキ内の全てのカードを使わなければならない程ゲームが長引く訳でもない限り、恐れる事はないし、そのような状況はそうそうない。
ルーターすべきでないと言う人について考えが浅はかだと言うつもりはない(気持ちは理解できる)が、デッキの並びが解らない場合、例えいいスペルを捨てる羽目になったとしても、ルーターは起動すべきだ。


みんな、カードを1枚引いて、1枚捨てろ。

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