もう禁止改定ネタはいらないか?
原文はこちら。
ウィザーズは予定より一週間早く禁止改定を行った。これはスタンダードに動きがある事を予め示していたのかもしれない。プロツアーを控えているプレイヤーもいた事から禁止改定はできるだけ早く行っておく必要があったというわけだ。
次のカードが禁止された:《密輸人の回転翼機》《約束された終末、エムラクール》と《反射魔道士》
これらのカードはスタンダードの核と呼べるカードだった。これは多くのプレイヤーにとって望ましい変化だったとは思わない。
俺の印象としては、ウィザーズは《約束された終末、エムラクール》を禁止した場合の影響を考えたのだろう。《反射魔道士》は環境に長くいすぎた。《密輸人の回転翼機》はアグレッシブなデッキの定番だ。
したがってこれらを使っていたデッキは手直しが必要になる。
今回の禁止にはいい面も悪い面もある。ウィザーズは1つのアーキタイプのみならず、フォーマット全体にテコ入れを行ったんだ!
3枚もの禁止をスタンダードで出すなんてまずありえない。禁止によってスタンダードが大きく変わる。
《約束された終末、エムラクール》にイワされたり、《密輸人の回転翼機》に対処できなかったり、もう辟易としていたプレイヤーは多かったことだろう。
アーキタイプによってはこの手のカードや、この手のカードを採用したデッキに弱いなんて事もあっただろう。そのようなデッキはこれから輝く可能性がある。
スタンダードは色んな意味で開かれたフォーマットだ。
禁止による最大の弊害はプレイヤーの"投資"が台無しになること。
スタン民の多くは既にコプターを4枚持っていたり、霊気池デッキのためにエムラクールを4枚買っている。これらの価値がいきなり暴落して、思いもよらなかったカードがいきなり暴騰するんだから本当につらい事だと思う。
個々のカードについて検討してみようと思う。
・約束された終末、エムラクール
フォーマットにとって最も迷惑なカードだったと思う。1回プレイされると、大体もう勝てない。
速度の足りないデッキはエムラクールに対処する手段を何かしら用意しなければならなかった。ミッドレンジにはとりあえずエムラ出せば勝てるので、結果として多くのミッドレンジが環境から追い出されたわけだ。
《霊気池の脅威》の大親友が《約束された終末、エムラクール》で、これが4ターン目に出ちゃうんだよね。
注意しておきたいのは《絶え間ない飢餓、ウラモグ》はまだ使える。霊気池デッキはスタンダードで最強の戦略である事に変わりはない。
かつてほどの強さは失うが、消えてなくなることはない。
エムラを使うもう1つのデッキは、一時期支配的だった緑黒昂揚だ。
このデッキにとっては7ターン目か8ターン目にハードキャストするのが意外に簡単。
《ウルヴェンワルド横断》のおかげでデッキにピン挿しできるし、あたかもデッキに5枚入っているかのような運用ができる。これならほぼ毎回エムラを引けるだろう。
エムラを失って終盤戦が厳しくなる緑黒昂揚は今後は少しアグレッシブなデッキになっていくだろう。
・密輸人の回転翼機
本当に短期間しか使われなかった。強力なアーティファクトを刷るのはすごいリスクを伴う。
色んな意味で《搭載歩行機械》を思い出す。ハンガーバックは何色でも使われて20ドルを超えるカードになった。
《密輸人の回転翼機》も様々なデッキに入った。コプターを採用したのは機体デッキだけじゃない。墓地利用デッキもマッドネスデッキも、パンハモニコンデッキにすら採用された。
《密輸人の回転翼機》は過半数のデッキで採用されていただろう。このカードたった1枚のためにプレイヤーはサイドからのアーティファクト対策を強要された。
禁止されたもう1つの要因は《キランの真意号》だろうね。この2マナ機体もスタンダードでよく見かけるカードになると思われる。強い2マナ機体が2つも環境に存在するのはやり杉だ。
・反射魔道士
一番驚いた。《反射魔道士》は青白デッキで頻繁に見かけたが、一番強いカードだというわけではない。
スタンダードの白で強いカードといえば《スレイベンの検査官》《大天使アヴァシン》《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》もある。
《反射魔道士》の禁止で青白はやりにくくなるだろう。しかし、青白フラッシュはスタンダードのトップメタなのかな?そんな時期もあったかもしれないが、今はそんなでもないはずだ。
じゃあ、なんで《反射魔道士》なんだろう?
行間を読んでみようと思う。
ウィザーズは青白デッキが強いというデータがあると語っているが、理由はそれだけじゃあるまい。
未来の影響を考えているはずだ。
霊気紛争に《守護フェリダー》というカードがある。《サヒーリ・ライ》と組み合わせることで双子コンボがスタンダードで実現する。
やり方はこうだ。まず《サヒーリ・ライ》をプレイする。《守護フェリダー》を出して、《サヒーリ・ライ》の能力でコピーを出す。《守護フェリダー》のコピーが着地したら誘発でサヒーリを部リンクする。サヒーリの忠誠度が3に戻るのでまた《守護フェリダー》のコピーを出す。繰り返しで無限トークンが出てくる。
強烈なコンボだ。そこで《反射魔道士》がどんな役割を担うのだろうか?
《サヒーリ・ライ》と《守護フェリダー》を採用するならデッキはジェスカイになるだろう。つまり《反射魔道士》を難なく採用できる。
そして《守護フェリダー》も《サヒーリ・ライ》も《反射魔道士》とシナジーがある。どちらのカードも《反射魔道士》の能力を使いまわす事ができる。
出た時誘発を持つ生物はとかくサヒーリともフェリダーともかみ合う。
そこで《反射魔道士》を取り上げておくと多少はデッキが弱体化するだろう。
・モダン
スタンダードの変化が甚大だったが、モダンの変化も大きい。
《ゴルガリの墓トロール》と《ギタクシア派の調査》が禁止された。
より重要なのは《ギタクシア派の調査》だ。このカードは多くのデッキで使われている。デッキによってはこの禁止で機能不全になるものもあるかもしれない。
モダンは高速環境で、《ギタクシア派の調査》がその一因となっている。0マナできるのだからコンボデッキにはとりあえず採用できるしデッキが青い必要もない。
この禁止で厳しくなるのは感染、SCZ、青赤果敢だろうか。
感染もSCZも《ギタクシア派の調査》を前方確認に使って、《強大化》のための墓地肥やしに使用する。《強大化》は《ギタクシア派の調査》を使えなくなることで扱いが難しくなる。
軽量カードを取り上げたら環境はそりゃ遅くなるが、気になるのは、果たしてこれらのデッキは今回の禁止で立ち直れるのだろうか?
SCZにとって《ギタクシア派の調査》はライフルーズ手段でもあった。ライフを失うのがアドなんだってさ!
感染もSCZも《ギタクシア派の調査》の代わりを探すのに苦労するだろう。
復活した時により脅威なのはSCZの方かな。ライフルーズする手段なんていくらでもある。
感染も消えることはないが、《強大化》の4積みはないだろう。
それから青赤果敢。
俺もたまに使うんだけど、《ギタクシア派の調査》を失ってからは、もうダメかもしれない。
そんな事言いたくはないし、俺が間違っている事を願うけど。
《ギタクシア派の調査》は《窯の悪鬼》とも《氷の中の存在》ともかみ合うカードだったが、もうこれまでのような速さは出せない。
青赤果敢に限らずデルバーやストームも今回の禁止で被害をこうむる。
もう1枚の禁止は《ゴルガリの墓トロール》だが、この影響を受けるデッキは1つだけ。
間違いなくドレッジはモダンで隆盛しており、何かしらテコ入れは必要だった。
面白いのはドレッジを止めるためにかつて《ゴルガリの墓トロール》が禁止され、ドレッジが環境に登場する前に解禁された。
気になるのは、禁止するのは《ゴルガリの墓トロール》で良かったのかという事だが、代わりに採用されるであろう《ゴルガリの凶漢》が発掘4しかない。《ナルコメーバ》が墓地に落ちる可能性が下がるのでちょうどいいと思う。
ドレッジは《壌土からの生命》を採用するという手もあるが、いずれにしろドレッジは弱体化する。
ちなみに《安堵の再開》を禁止してもよかったかもしれないね。
総じてモダンは大きな変化が起きるし、スタンダードでももちろん起きる。
新しいデッキを組み、眠らせてたデッキの調整を再開するには最高のタイミングd。
霊気紛争からのマジックは本当に先が読めないね。
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