2016年7月15日金曜日

【翻訳】This Week in Legacy: Introduction to Delver/デルバーの話をしよう

かくいう私が今デルバー組もうとしていますんで。デルバーの勉強もかねてやります。

原文はこちら

先週、グリクシスデルバーがトップメタの1つだと伝えたが、常にそうだと言う訳ではない。
何故なら長い間デルバーと言えばRUGデルバーだったし、BUGデルバーも根強くプレイされていた(今もプレイされている)からだ。URデルバーも見かけるし、変わり種としてジェスカイデルバーに4色デルバーもある。
それではこの1/1を裏返すデッキを1つ1つ見ていこう!

RUGデルバー

デルバーの起源、RUGデルバーの元はレガシー初期からカナディアンスレッショルドとして存在していた。このデッキはテンポデッキとして最も純粋で真っすぐなデッキだった。
生物を出す、守る、カウンターする、除去する、最後に火力を相手に叩きつける。
開発者であるCaplanが2007年に使用したのは以下のレシピだ。

カナディアンスレッショルド

クリーチャー(8)
4 敏捷なマングース
4 タルモゴイフ

呪文(34)
4 渦巻く知識
4 稲妻
4 思案
4 呪文嵌め
4 もみ消し
4 目くらまし
1 急流
1 拭い捨て
4 意志の力
4 火/氷

土地(18)
2 溢れかえる岸辺
2 汚染された三角州
4 Tropical Island
4 Volcanic Island
4 不毛の大地
2 樹木茂る山麓

サイドボード(15)
2 仕組まれた爆薬
2 真髄の針
2 紅蓮破
2 赤霊破
2 クローサの掌握
3 三角エイの捕食者

強力なデッキではあったが、生物は薄かった。
そこに「秘密を掘り下げるもの」が印刷され、すっぽりとデッキに収まった。
RUGデルバーが一番シナジーを重視した、テンポ重視のデルバーだと言える。
中長期戦を見越していないので死儀礼もヤンパイもない。
長期戦になり、地上が膠着して生物によるダメージが期待できないとなるとこのデッキはもう「稲妻」で焼き切るしかない。
「死儀礼のシャーマン」によってマングースが無力化されたった数か月しか活躍できなかったが、RUGデルバーは俺の大好きなデルバーだ。

しかしながら、RUGデルバーは今でも使われている。
最近5-0したレシピは以下の通り。自由枠には「火/氷」、「二股の稲妻」「四肢切断」「呪文貫き」「呪文嵌め」が採用されている。

RUGデルバー

クリーチャー(12)
4 秘密を掘り下げる者
4 敏捷なマングース
4 タルモゴイフ

呪文(30)
4 渦巻く知識
1 二股の稲妻
4 稲妻
4 思案
2 呪文貫き
1 呪文嵌め
4 もみ消し
4 目くらまし
1 四肢切断
4 意志の力
1 火/氷

土地(18)
2 溢れかえる岸辺
2 霧深い雨林
4 汚染された三角州
3 Tropical Island
3 Volcanic Island
4 不毛の大地

サイドボード(15)
2 乱暴/転落
1 狼狽の嵐
2 墓掘りの檻
1 真髄の針
2 紅蓮破
1 古の遺恨
1 破壊的な享楽
1 無のロッド
1 森の知恵
1 硫黄の渦
2 水没

このアーキタイプはもう発展の余地がないかと言うとそうでもない。
Gianluca Gazzolaは面白い形のRUGデルバーを使ってGP7位に入っている。

RUGデルバー

クリーチャー(12)
4 秘密を掘り下げる者
4 タルモゴイフ
1 真の名の宿敵
1 ヴェンディリオン三人衆
2 わめき騒ぐマンドリル

呪文(30)
4 渦巻く知識
1 二股の稲妻
4 稲妻
4 思案
1 呪文貫き
2 呪文嵌め
4 もみ消し
4 目くらまし
1 四肢切断
4 意志の力
1 火/氷

土地(18)
2 溢れかえる岸辺
2 霧深い雨林
2 沸騰する小湖
3 Tropical Island
3 Volcanic Island
4 不毛の大地
2 樹木茂る山麓

サイドボード(15)
2 乱暴/転落
2 狼狽の嵐
1 墓掘りの檻
1 紅蓮破
1 赤霊破
1 外科的摘出
1 古の遺恨
2 発展の代価
1 クローサの掌握
1 硫黄の精霊
2 水没

生物の変化に注目しよう、「敏捷なマングース」が「死儀礼のシャーマン」や「難題の予見者」に弱いという事で「わめき騒ぐマンドリル」「真の名の宿敵」「ヴェンディリオン三人衆」になっている。
しかし、奇跡を想定すると難しい問題だ。マングースは相手に終末を強要する1枚だからだ。
とにかく、このデッキはまだ息をしているし、もし伝統的なテンポデッキからレガシーを始めるならRUGデルバーを勧める。


BUGデルバー

伝統的なRUGはすぐ息切れするので、「闇の腹心」のようなアド源はぴったり入り、「稲妻」の代わりに「燻し」を入れればBUGデルバーだ。
それと同時にチームアメリカと呼ばれるデッキがあり、「もみ消し」「陥没孔」「不毛の大地」とマナ拘束に重点を置いていた。「意志の力」「目くらまし」に並ぶフリースペルとして「殺し」が入り、フィニッシャーに「墓忍び」が入っていた。

2つのデッキは「秘密を掘り下げるもの」「死儀礼のシャーマン」「突然の衰微」が出てくると段々同化していった。
死儀礼はゲームが進むほど強くなり、「突然の衰微」は2マナであり「稲妻」の代わりになった。
これによりBUGデルバーはテンポデッキとミッドレンジの中間的なデッキとなった。

重要なのはBUGデルバーはウィル、デイズ、キャントリップ以外はRUGデルバーとは異なるアプローチをとる。「トーラックへの賛歌」がいい例で、アドバンテージを取りながら(土地がディスカードされた場合)マナ拘束を行う。
RUGデルバーと違ってタップアウトによるテンポデッキであり「ヴェールのリリアナ」も採用される。

Hoppelarが5-0したBUGデルバーはミッドレンジに寄せたレシピだ。
「森の知恵」がメインに採用し、サイドには「精神を刻むもの、ジェイス」、このデッキがテンポデッキでありミッドレンジである事がよく解る。

スゥルタイデルバー

クリーチャー(14)
4 死儀礼のシャーマン
4 秘密を掘り下げる者
3 タルモゴイフ
1 真の名の宿敵
2 墓忍び

呪文(30)
4 渦巻く知識
3 思案
4 突然の衰微
4 目くらまし
4 トーラックへの讃歌
1 森の知恵
2 ヴェールのリリアナ
4 意志の力

土地(20)
2 Bayou
4 霧深い雨林
4 汚染された三角州
1 Tropical Island
4 Underground Sea
1 新緑の地下墓地
4 不毛の大地

サイドボード(15)
2 侵襲手術
1 真髄の針
1 苦花
1 ゴルガリの魔除け
1 湿地での被災
1 冬の宝珠
1 四肢切断
2 毒の濁流
1 ヴェンディリオン三人衆
2 精神を刻む者、ジェイス
2 水没

リリアナ他重めのスペルによってRUGと差別化している。
「稲妻」がない事で最後の押し込みをしにくいのが痛手だがそれは「真の名の宿敵」がやってくれる。

Bennet Snyderは「もみ消し」を使ったBUGをGPコロンブスに持ち込んでいる。

BUGデルバー
GPコロンブス2016-22位

クリーチャー(13)
4 死儀礼のシャーマン
4 秘密を掘り下げる者
4 タルモゴイフ
1 真の名の宿敵

呪文(29)
4 渦巻く知識
4 思案
3 呪文貫き
4 もみ消し
4 突然の衰微
4 目くらまし
1 森の知恵
1 四肢切断
4 意志の力

土地(18)
2 溢れかえる岸辺
2 霧深い雨林
4 汚染された三角州
3 Tropical Island
3 Underground Sea
4 不毛の大地

サイドボード(15)
1 暗黒破
1 狼狽の嵐
1 侵襲手術
2 真髄の針
1 呪文貫き
2 外科的摘出
2 思考囲い
1 悪魔の布告
1 壌土からの生命
1 四肢切断
1 真の名の宿敵
1 残忍な切断


URデルバー

URデルバーはカウンターバーンの一種として常にレガシーに存在していた。「若き紅蓮術士」「僧院の速槍」と火力に「宝船の巡航」は環境を支配する組み合わせだった。そこで「宝船の巡航」は禁止となった。
Bob HuangはニュージャージーのSCGオープンにURデルバーを持ち込んでいる。

URデルバー

クリーチャー(13)
4 秘密を掘り下げるもの
4 僧院の速槍
4 若き紅蓮術士

呪文(31)
4 渦巻く知識
1 稲妻の連鎖
2 二股の稲妻
4 ギタクシア派の調査
4 稲妻
4 思案
4 目くらまし
4 意志の力
4 宝船の巡航

土地(17)
1 溢れかえる岸辺
2 島
1 山
4 汚染された三角州
4 沸騰する小湖
4 Volcanic Island
1 樹木茂る山麓

サイドボード(15)
2 墓掘りの檻
2 渋面の溶岩術士
2 真髄の針
3 紅蓮破
1 無のロッド
1 粉々
2 血染めの月
2 硫黄の渦

「宝船の巡航」の禁止により、グリクシスデルバーにとってかわられた。黒い探査持ちがドローの代わりに入ったのだ。
しかし、最近は「嵐追いの魔道士」によって復活の兆しを見せている。序盤の軽量クリーチャーとキャントリップで攻め立てる動きよりカウンターを構えるアグロ(バーン)デッキとなった。「不毛の大地」の代わりにエルドラージや3色デッキの多いメタゲームに刺さる「発展の代価」を採用している。2色なので「発展の代価」による被害は比較的小さい。

Bazaar of Moxenのトップ8にURデルバーが登場している。

URデルバー

クリーチャー(13)
4 秘密を掘り下げるもの
4 僧院の速槍
1 瞬唱の魔道士
4 嵐追いの魔道士

呪文(31)
4 渦巻く知識
2 二股の稲妻
4 ギタクシア派の調査
4 稲妻
4 思案
1 呪文貫き
1 呪文嵌め
4 目くらまし
3 発展の代価
4 意志の力

土地(16)
1 血染めのぬかるみ
1 溢れかえる岸辺
2 島
1 霧深い雨林
2 山
1 汚染された三角州
4 沸騰する小湖
4 Volcanic Island

サイドボード(15)
1 電解
2 狼狽の嵐
1 渋面の溶岩術士
1 呪文嵌め
2 外科的摘出
2 粉々
1 瞬唱の魔道士
1 血染めの月
1 硫黄の精霊
2 硫黄の渦
1 精神壊しの罠

「嵐追いの魔道士」によって「不毛の大地」や「もみ消し」に頼る伝統的なテンポデッキではなくなっている。 このスタイルにする事でデルバーのミラーや「不毛の大地」に強くなっている。
このデッキには少し面白いカードが入る場合もある。Eli Kassisはこのアーキタイプに「氷の中の存在と」「漂流」を採用した!

URデルバー

クリーチャー(12)
4 秘密を掘り下げるもの
1 渋面の溶岩術士
2 瞬唱の魔道士
1 氷の中の存在
4 若き紅蓮術士

呪文(29)
4 渦巻く知識
1 二股の稲妻
4 ギタクシア派の調査
4 稲妻
4 思案
1 紅蓮破
2 呪文貫き
4 目くらまし
1 ダク・フェイデン
4 意志の力
1 火/氷

土地(18)
2 島
3 霧深い雨林
1 汚染された三角州
4 沸騰する小湖
4 Volcanic Island
4 不毛の大地

サイドボード(15)
1 侵襲手術
2 紅蓮破
3 もみ消し
2 外科的摘出
1 無のロッド
2 粉々
1 血染めの月
1 硫黄の精霊
2 水没

URデルバーから始める利点が1つあって、「Tropical Island」か「Underground Sea」さえ買えばRUGデルバーやグリクシスデルバーも組めるんだ。
それと、これはグリクシスデルバーの下位互換ではなく、これはこれで独自の動きがある。

URデルバーは「宝船の巡航」を禁止され、「グルマグのアンコウ」のようなカードはないが、Chaos Revelerが使えるかもしれない!


4色デルバー

次に有名なデルバーは4色デルバーだろう。大体はBURGでBUGでは使えなかった最後の押し込みにもなる「稲妻」を採用できる。幸運にも「死儀礼のシャーマン」があれば色の心配はない。「もみ消し」は貧弱なマナ基盤を「不毛の大地」から守ってくれる。

生物の構成は人による。BUGの生物にする人が多いように見受けられるが「若き紅蓮術士」「真の名の宿敵」「闇の腹心」を採用する事で墓地依存を避ける事ができる。「瞬唱の魔道士」や「ヴリンの神童、ジェイス」も見かける。

グリクシスデルバーも4色デルバーと言える。「Tropical Island」に「突然の衰微」を入れている事もあるのだ。
4色にすればその分選択肢が増えるのでサイドボードで何かしらの回答を採用できるだろう。

Daniel Signoriniが4色デルバーを使いGPコロンブスの9位に入っている。

4色デルバー

クリーチャー(13)
4 死儀礼のシャーマン
4 秘密を掘り下げる者
4 タルモゴイフ
1 グルマグのアンコウ

呪文(28)
4 渦巻く知識
4 稲妻
4 思案
2 呪文貫き
3 もみ消し
3 突然の衰微
4 目くらまし
4 意志の力

土地(19)
3 溢れかえる岸辺
3 霧深い雨林
3 汚染された三角州
2 Tropical Island
2 Underground Sea
2 Volcanic Island

サイドボード

1 狼狽の嵐
1 二股の稲妻
2 紅蓮破
2 外科的摘出
1 古の遺恨
1 悪魔の布告
2 ゴルガリの魔除け
2 苦い真理
1 真の名の宿敵
1 ヴェンディリオン三人衆
1 残忍な切断



ジェスカイデルバー

今日取り上げる最後のデルバーはジェスカイデルバーだ。
これはデルバーを「稲妻」、中盤以後に強い「石鍛冶の神秘家」に「真の名の宿敵」で後押しするデッキである。
Owen TutenwaldはGPワシントンに持ち込んでいる。

ジェスカイデルバー

クリーチャー(10)
4 秘密を掘り下げる者
4 石鍛冶の神秘家
2 真の名の宿敵

呪文(30)
4 渦巻く知識
4 稲妻
4 思案
4 呪文貫き
4 剣を鋤に
4 目くらまし
1 梅澤の十手
1 殴打頭蓋
4 意志の力

土地(20)
4 乾燥台地
1 溢れかえる岸辺
4 汚染された三角州
4 Tundra
3 Volcanic Island
4 不毛の大地

サイドボード
1 摩耗/損耗
1 墓掘りの檻
2 渋面の溶岩術士
1 紅蓮破
2 赤霊破
4 翻弄する魔道士
2 安らかなる眠り
1 饗宴と飢餓の剣
1 真の名の宿敵

不幸にも、「死儀礼のシャーマン」を使えるBUGほど器用にテンポデッキとミッドレンジデッキの共存ができていない。ジェスカイデルバーは引きが噛み合わないと上手く回らない。
デルバーが「剣を鋤に」で相手のライフを回復させたり、土地の枚数の割に装備品が重たいる上に「目くらまし」まで使う点がジェスカイデルバーの難しさだ。

このデッキは他のデルバーであれば対策する必要のないカードの対策を迫られる。
コンボが相手だとジェスカイデルバーはボコボコにされる。反面、サイドボードから「翻弄する魔道士」や「エーテル宣誓会の法学者」を入れる事でヘイトベアーのような立ち振る舞いができるし、「安らかなる眠り」で墓地対策も可能だ。

典型的なレシピはArk4nの5-0したレシピだろう。

ジェスカイ石鍛冶

クリーチャー(10)
4 秘密を掘り下げる者
4 石鍛冶の神秘家
2 真の名の宿敵

呪文(30)
4 渦巻く知識
4 稲妻
4 思案
2 呪文貫き
2 呪文嵌め
4 剣を鋤に
4 目くらまし
1 梅澤の十手
1 殴打頭蓋
4 意志の力

土地(20)
3 溢れかえる岸辺
4 霧深い雨林
2 汚染された三角州
4 Tundra
3 Volcanic Island
4 不毛の大地

サイドボード
1 摩耗/損耗
1 狼狽の嵐
1 墓掘りの檻
1 真髄の針
3 紅蓮破
1 エーテル宣誓会の法学者
2 翻弄する魔道士
2 安らかなる眠り
1 饗宴と飢餓の剣
1 真の名の宿敵
1 精神を刻む者、ジェイス

さっき「死儀礼のシャーマン」を入れると回しやすくなると言ったが、じゃあ、ダークジェスカイデルバーなんてのもできそうだな?

ジェスカイ石鍛冶

クリーチャー(14)
4 死儀礼のシャーマン
4 秘密を掘り下げる者
4 石鍛冶の神秘家
2 真の名の宿敵

呪文(30)
4 渦巻く知識
4 稲妻
4 思案
2 呪文貫き
2 剣を鋤に
4 目くらまし
1 梅澤の十手
1 殴打頭蓋
4 意志の力

土地(20)
1 乾燥台地
4 溢れかえる岸辺
4 汚染された三角州
1 Scrubland
2 Underground Sea
2 Tundra
2 Volcanic Island
4 不毛の大地

サイドボード
1 Tropical Island 1 摩耗/損耗
1 侵襲手術
1 真髄の針
3 赤霊破
1 悪意の大梟
1 エーテル宣誓会の法学者
2 翻弄する魔道士
2 安らかなる眠り
1 饗宴と飢餓の剣
1 真の名の宿敵
1 精神を刻む者、ジェイス


カツカツのマナベースだが俺はこちらの方が幾分か強そうに見える。
「死儀礼のシャーマン」のおかげで「真の名の宿敵」も装備品も出しやすい。
「死儀礼のシャーマン」の緑マナの能力はサイド後でないと使えないが主に使うのは黒マナなんだから問題ないな?


まとめ

デルバーの紹介は以上だ。これらのリストはこれからレガシーに参入したい人にとってもレガシーシーズンを迎えるプレーヤーにも有用だろう。今後もメタゲーム上にあるアーキタイプを紹介していく。待っていてくれ。

7月30日はHMOです
8月20日はTTTです

個人主催者の皆さま、こちらの告知掲示板に告知していただけると幸いです。
情報が集まる程、宣伝力の高い掲示板になります。
MTG告知用掲示板

0 件のコメント:

コメントを投稿