2016年8月21日日曜日

【翻訳】One-Mana Wonder — Conspiracy: Take the Crown Preview/Seth Manfieldの語る血清の幻視

ちょっと駆け足ですが、Seth Manfieldが血清の幻視について語ります。



原文はこちら

「血清の幻視」の再録は実は俺は事前に知らされていた。とは言っても皆との差は1週間もなかったが、俺はこの記事を書ける事にとても興奮していた。
モダマスやモダマス2が発売された時、何で「血清の幻視」が再録されないのか疑問だったが、コンスピラシーで再録したのにはきっとウィザーズなりの魂胆があったのだろう。



コンスピラシーは再録と新規収録の入り混じったユニークなセットだ。このセットは多人数戦によるリミテッドを想定している。しかし、コンスピラシーはそれだけに留まるセットではなくなった。
コンスピラシーの再録は構築にも影響がある。
カジュアル、競技、多人数、いずれのプレーヤーにも恩恵をもたらす。

「血清の幻視」について考えてみよう。これは複数のフォーマットで使用される。俺はスタンダードとモダンで使用した時、俺はこれはモダンの定番カードになると確信した。禁止にすべきという声があがった程だから、いかに強力なカードだったか。「欠片の双子」に「花盛りの夏」が禁止される前は半分以上のモダンデッキで採用されていた。
今は青いデッキをあまり見かけないが、それでも大半の青いデッキに4積みされる。
アンコモンとしての再録は合理的でフィフスドーンの時のようにコモンで収録するには強すぎる。

何故「血清の幻視」が強いのか。
古来より軽いドロースペルは強力であった。
最強のドロースペルはたった1マナで、「血清の幻視」はその延長にあるカードだ。
何年もの間、ウィザーズはこのドロースペルを調整してきたが常に一歩やり過ぎたカードになっていた。
振り返れば「Ancestral Recall」に「渦巻く知識」はエターナル環境でもすごく使われる。
「血清の幻視」は「渦巻く知識」よりは幾ばくか弱いのでレガシーやヴィンテージではそこまで使用されない。



最強のドロースペル達は1つの共通点があり、いずれのカードも上から3枚のカードを見る事ができる。
挙げるてみると、「Ancestral Recall」「祖先の幻視」「渦巻く知識」「思案」「定業」そして「血清の幻視」だ。
これらのカードはそれぞれの方法で上から3枚のカードを見る事ができる。
「思案」や「定業」と比べて「血清の幻視」はやや弱いが、前の2枚と比べて「血清の幻視」は禁止されていない。

上記の例の中では「血清の幻視」は最弱だが、スタンダードに存在するあらゆるドロースペルよりも強い。
スタンダードで「血清の幻視」に対抗できるようなカードが刷られたら俺はきっと驚く。
そこで現行スタンダードのドロースペルを見てみよう。

「予言」が2ドローの基準カードとすると、スタンダードリーガルの中で一番強いのは「骨読み」だろう。
「骨読み」は「血清の幻視」より2マナ重く、かつ2点のライフを失う。「骨読み」は「血清の幻視」ほど強力ではないがスタンダードの定番カードとなっている。
青1マナで唱えられるドロースペルは存在せず、「血清の幻視」が使われるのは軽いからだ。

「血清の幻視」を他の青いドロー、例えば「棚卸し」「偏った幸運」「龍王の大権」はコストを見てみるにカードを複数枚引くにはよりマナがかかるのだ。
これらのカードが機能するには構築から気を配らなければならず、どんなデッキにでも入るようなものではない。
一方「血清の幻視」は大体のデッキで容易に機能する。

「血清の幻視」はコンボデッキ用のカードのようで、ミッドレンジやコントロールデッキにも採用される。Antonio Del Moralの双子デッキは「血清の幻視」でプロツアーを制したのを思い出す。

「血清の幻視」は2ドローよりは弱いかもしれないが、時には占術2の方が重要な場面もある。
重要な1枚を探しに行くコンボデッキでは特にそうだ。

現行のモダンではコンボデッキはあまり見かけないが、今でも戦えているデッキはある。
そこで4積みしているコンボデッキを見てみよう。

アドグレイス

クリーチャー(5)
1 研究室の偏執狂
4 猿人の指導霊

呪文(35)
4 むかつき
4 天使の嗜み
1 稲妻の嵐
4 水蓮の花びら
3 否定の契約
4 五元のプリズム
4 ファイレクシアの非生
4 血清の幻視
4 手練
3 大霊堂の戦利品

土地(22)
4 闇滑りの岸
4 宝石鉱山
1 島
1 平地
4 金属海の沿岸
4 欺瞞の神殿
4 啓蒙の神殿

サイドボード(15)
1 全てを護るもの、母聖樹
3 ハーキルの召喚術
4 神聖の力戦
1 否定の契約
1 殺戮の契約
3 呪文滑り
2 思考囲い

アドグレイスの本質は2枚コンボだが、むかつきと負けない方法を引かない限りこのデッキは勝てない。このデッキはコンボパーツを探さないといけない、可能な限り早く。そこに「血清の幻視」が入ってくる。
このデッキにおいて「血清の幻視」はコンボパーツではないが、デッキを3枚掘れるのは滅茶苦茶大事。コンボピースが既に手札にある時は余計なパーツをボトムに送れるのでそれも優秀。
占術をこれほど重要視しているデッキはモダンに存在しない。このデッキは占術のために神殿すら使っているのだから。

コンボが「血清の幻視」を重要視する一方、トップ操作の恩恵を受けるカードは他にもある。
「秘密を掘り下げる者」だ。デルバーは「血清の幻視」4積み必須で、一度唱えればデルバーの反転は容易だろう。


グリクシスデルバー

クリーチャー(11)
4 秘密を掘り下げる者
4 瞬唱の魔導士
3 黄金牙、タシグル

呪文(28)
2 コラガンの命令
4 稲妻
4 マナ漏出
4 差し戻し
4 血清の幻視
2 呪文嵌め
4 終止
4 思考掃き

土地(21)
1 血の墓所
3 血染めのぬかるみ
1 僻地の灯台
2 島
1 山
4 汚染された三角州
4 沸騰する小湖
2 蒸気孔
1 沼
2 湿った墓

サイドボード(15)
3 対抗突風
2 ハーキルの召喚術
2 イゼットの静電術士
2 引き裂く流弾
2 焙り焼き
1 粉砕の嵐
2 呪文貫き
1 よじれた映像

このリストは典型的なグリクシスデルバーだ。生物は11枚のみだがキャントリップ、除去、カウンターと綺麗にかみ合うものばかり。
このデッキの場合「血清の幻視」はキャントリップと言える。カードを1枚入れ替えておまけの効果ついてくる。
ノンクリーチャースペルの重要度の高いモダンデッキで青いのであれば「血清の幻視」は必須になる。この手のデッキにとって「血清の幻視」はとても大事なパーツとなる。
正直、「血清の幻視」がないとモダンではデルバーが成立しないと思う。

このカードは主役にはならないが、ドローは幅広いアーキタイプで採用されるものである。
「血清の幻視」はアドバンテージは稼げないが種々のアーキタイプが回るのを援護する。
他にも様々なアーキタイプが「血清の幻視」を使用する。ジェスカイコントロール、ストーム、スケープシフトがすぐに思い浮かぶ。
「血清の幻視」が再録されるという事はウィザーズがこのカードを禁止するつもりはないと言う事だろう。
これはスタンダードで使うには強力過ぎて、モダンにはぴったりのカードだ。

コンスピラシーは多人数戦用のセットで、俺はあまり多人数戦をやらないのだが、このカードが多人数戦で強力だというのは自信をもって言える。
「血清の幻視」は多人数戦向きのカードだとは言わない、このカードは丸いので様々なデッキに入るのだ。
俺がリミテッドで青をやるなら間違いなくデッキに「血清の幻視」が入るだろう。
多人数戦の構築ではとんでもないデッキやカードがいくつもあるが、そういうデッキこそ「血清の幻視」を入れてみてはいかがか。


9月17日はTTTです。

個人主催者の皆さま、こちらの告知掲示板に告知していただけると幸いです。
情報が集まる程、宣伝力の高い掲示板になります。
MTG告知用掲示板

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