2016年4月6日水曜日

【翻訳】Standard Tribal — Humans & Werewolves/スタンダードの部族デッキ-人間、狼男編

よく英語の勉強をしたいとおっしゃる方がいますが、仕事で使わないならいらないんじゃない?
と長らく英語不要論者でした。

趣味で必要になるとはね・・・

という事で少し英語の勉強を始めたところですが、今すぐに効果が表れるわけでもないでしょうし、しばらくはこのままの語学力で勘弁してくださいね。

原文はこちら

スタンダードの部族デッキ-人間、狼男編

今日は引き続き「イニストラードを覆う影」のメカニックとスタンダードについて解明しようと思います。マッドネスと昂揚については既にお話しましたので、今週は「イニストラードを覆う影」から2つの種族について取り上げようと思います。人間と、狼男について。

何がいい部族デッキを作り出すのか?

部族デッキを作る時に真っ先に考える事はデッキを組む理由です。無計画に人間や狼男を1つのデッキにぶち込みたくはありません。同じ部族でデッキを組むからには見返りが必要です。例えば狼男の場合、狼男をプレイする見返りとなる素晴らしいカードがあります、「吠え群れの復活」ですね。瞬速持ちのカードは狼男と強力なシナジーを形成します。何故ならこれにより狼男が変身できるよう、呪文を唱えずにターンを明け渡すことができるからです。相手のターンに「吠え群れの復活」を唱えてあなたの狼男はサイズが大きくなった上にトランプルも付与されます。このカードはあなたのクリーチャーをブロックしようとしていた相手を大いに驚かせられるし、あなたを勝利に近づけさせてくれるでしょう。

リーガルなセットを横断して採用される部族は上手くいく可能性があります。人間はマジックにおいて最も知られた部族で、スタンダードで採用可能な全ての人間と組み合わせれば、強い人間デッキを作るために多様な選択肢が存在します。

一方、狼男はイニストラード特有です。イニストラード以外のセットでは狼男が刷られていない事は、狼男でデッキを作るにはほとんどカードを「イニストラードを覆う影」から採用しないといけないという事です。1つのセットから充分にスタンダードのデッキをを作れるとは考えにくいため、現時点では強い狼男デッキを作れないでしょう。しかしながら、我々は狼男と狼男以外の両方を採用した赤緑のミッドレンジを作る事はできます。本当の意味での狼男デッキにはなりませんが、それでも素晴らしいデッキに仕上げる事ができるでしょう。

人間

人間が全てのスタンダードでリーガルなセットの中で支配的な部族である事から、現時点で私の考える最強の部族デッキです。今から人間デッキを作る強い動機があります、「サリアの副官」です。「教区の勇者」-2は序盤でも終盤でも強くそうそう死に札にはならないでしょう。「教区の勇者」がスタンダードで強かったのですから、序盤で「教区の勇者」として使うのは強いでしょう。終盤では「サリアの副官」はあなたの軍団にアンセムの効果をもたらします。このカードはマナが伸びきった後にこそ一番強さを発揮します。
例えば

1ターン目:「アクロスの英雄、キテオン」
2ターン目:「白蘭の騎士」
3ターン目:「反射魔導士」、相手のクリーチャーをバウンス
4ターン目:相手のブロッカーに「石の宣告」、「サリアの副官」、軍団をパンプ、9点

私の考えた白単を紹介します。これはかつての白ウィニーのようなもので、考え方は1マナ2/1をできるだけプレイしてから「栄光の頌歌」でフォローするというものです。引きがかみ合えばあなたは対戦相手が何かをする前に倒せるでしょう。リストはこちらです。

クリーチャー(27)
3 族樹の精霊、アナフェンザ
4 ドラゴンを狩る者
4 探検隊の特使
4 白蘭の騎士
4 アクロスの英雄、キテオン
4 サリアの副官
4 スレイベンの検査官
呪文(11)
4 永遠の見張り
4 石の宣告
3 停滞の罠
土地(22)
20 平地
2 ウェストヴェイルの修道院

このデッキは実に16枚の1マナが入っており、1ターン目にほぼ確実に動けます。12枚の1マナは2/1で特に「サリアの副官」と「永遠の見張り」と合わされば相手を強烈に叩けるでしょう。

「スレイベンの検査官」は大分過小評価されているようですが、私は「イニストラードを覆う影」以後のスタンダードでは大きな可能性を感じています。「スレイベンの検査官」はいつ出しても素晴らしいです。序盤は打点になり、終盤にはドローに1/2がついてくるのです。ガス欠を起こしがちで相手の盤面が固まると厳しい白ウィニーにおいて追加の1枚は価値があります。「スレイベンの検査官」の一番の良さは手がかりを自分に都合のいいタイミングで生贄にできる事です。2ターン目にする事がなければ手がかりを生贄にすればいいし、又は手札が尽きるのを待っても構いません。

「ドラゴンを狩る者」は時として1マナ2/1以上になります。これは難敵である「龍王オジュタイ」と「雷破の執政」をブロックするし、これらをすり抜けて攻撃する事もできます。「アクロスの英雄、キテオン」は「マジック・オリジン」の忘れらていたプレインズウォーカーであり、ついに人間部族に居場所を見つけられました。16枚の1マナがあれば3ターン目に裏返るのは容易でしょう。彼は人間でもあるので「サリアの副官」でカウンターを乗せてもいいですね。

2マナ域は後手だとなお良いのですが先手でも充分な「白蘭の騎士」があります。「族樹の精霊、アナフェンザ」は唯一の人間以外ですが、ここでは強いです。「族樹の精霊アナフェンザ」の弱点は、彼女を活かすにはデッキを展開する必要があり、それは「衰滅」や「光輝の炎」を採用するようなデッキ相手には危険だということです。

白い除去は今強いです。「石の宣告」はスタンダードで最強の単体除去だと思っています。これは白ウィニーでこそ輝きます。何故なら相手は盤面の対処に迫られて手がかりを生贄にする暇がないからです。これは追放するので死亡時誘発や墓地利用デッキ相手に効果的です。トークンに対しても有効でしょう。「停滞の罠」は土地クリーチャーやアヴァシンが走ってくる環境においてもう1つの強力な除去です。

マナコストが軽い事から土地は22枚にしています。「ウェストヴェイルの修道院」が唯一の平地でない土地でマナフラッド時に役立ちます。マナフラッドではなくとも盤面が膠着して「ウェストヴェイルの修道院」を裏返すしかない状況もあり得るでしょう。裏返すのはリスクが伴いますが、相手もそれを警戒する必要に迫られます。

人間デッキでもう1つ試したいのは「反射魔導士」と「オジュタイの命令」のために青を足したものです。伝統的な白ウィニー程のアグレッシブさは出ませんが、代わりによりテンポをとるアグロデッキになるでしょう。「反射魔導士」は人間でぴったりだし、アグレッシブなデッキでは非常に強力でしょう。「白蘭の騎士」で「大草原の川」をサーチすればいいので島の採用を減らせる点も好きです。人間デッキは強そうだし、アグロの頂点になりそうです。


狼男

先ほど申し上げた通り、「イニストラードを覆う影」にプレイアブルな狼男が充分出そろっていないため、狼男は今は強くないと思います。「イニストラード」の「アヴァブルックの町長」や「無謀な浮浪者」のような強力な1、2マナがありません。しかしながら「イニストラードを覆う影」でも面白そうなものはあります。最初のデッキは形式ばった本当の狼男デッキです。

クリーチャー(19)
4 首折れ路の乗り手
4 薄暮見の徴募兵
4 ラムホルトの平和主義者
3 群れの守護獣
4 村の伝書士
プレインズウォーカー(5)
3 アーリン・コード
2 炎呼び、チャンドラ
呪文(12)
4 アタルカの命令
4 焦熱の衝動
4 吠え群れの復活
土地(24)
4 燃えがらの林間地
3 進化する未開地
7 森
4 獲物道
6 山

このデッキにはいくつかの問題点があり、主な問題点はプレイに値する狼男が足りない事です。4種の狼男でデッキは組めましたし5枚目に「ガイア―岬の山賊」を5枚目として検討しましたが、3マナ域をあまり増やしたくなかったし「吠え群れの復活」は4枚必須なので不採用としました。クリーチャー不足によりこのデッキにぴったりな「集合した中隊」を切りました。あと2種類有用な1、2マナの狼男がいれば強力なカンパニーデッキを組めたでしょうが、残念です。

マナも問題です。赤の1マナに「村の伝書士」を採用しましたが、半分以上の土地が1ターン目に赤マナを出せません。加えてデッキの大半は緑で、2ターン目には赤マナも緑マナも出さないといけません。おそらく「燃えがらの林間地」と「獲物道」が初手に何枚か来て、土地がタップインしてしまう事から綺麗な展開は望めないでしょう。

その他の弱点としてソーサリー呪文を入れたくないという点です。ソーサリータイミングに呪文を唱えるという事は狼男を裏返せないという事で「焙り焼き」のような強力な除去を抜かざるをえませんでした。

狼男でデッキを組む理由になるのは「アーリン・コード」です。「アーリン・コード」はクリーチャーの多いアグレッシブなデッキで最も強さを発揮します。トークンを出して、クリーチャーに3点のダメージを与え、クリーチャーに警戒を付与して、彼女の全ての能力が彼女を守るのに役立ちます。狼男デッキが成立しなくとも、「アーリン・コード」は何かしらの赤緑のクリーチャーデッキに居場所を見つけるでしょう。

総じてレベルの高いスタンダードのイベントでこの赤緑狼男が強いとは思えませんがFNMやゲームデーになら持ち込みたいと思います。もう少し狼男と「アーリン・コード」でデッキを組みたかったので、こちらが2回目の挑戦です。

クリーチャー(22)
2 棲み家の防御者
3 薄暮見の趙募兵
4 搭載歩行機械
1 ピア・ナラーとキラン・ナラー
4 森の代言者
4 飛行機械技師
4 雷破の執政
プレインズウォーカー(8)
4 アーリン・コード
4 ゼンディカーの代弁者、ニッサ
呪文(6)
1 極上の炎技
3 焦熱の衝動
2 焙り焼き
土地(24)
4 燃えがらの林間地
3 進化する未開地
6 森
4 獲物道
6 山
1 ウェストヴェイルの修道院

彼女は「森の代言者」と「搭載歩行機械」のようなクリーチャーに守られ、また攻撃時には彼らを強化するため、このデッキで輝くことができます。最大の問題は除去が他の色に比べて弱い事です。「ヴリンの神童、ジェイス」は皆の敵で、彼を除去する呪文は必須であり、それための3枚の「焦熱の衝動」と2枚の「焙り焼き」です。しかしながら除去が限定的すぎるのです。「焙り焼き」は「大天使アヴァシン」を除去できないし「焦熱の衝動」は「難題の予見者」を除去できないのです。この除去の構成では本当に望んだタイミングで正しい除去を引き込まないといけません。

このデッキは飛行機械を大量に生産します。赤の4マナ最強である「雷破の執政」とともに、これらは「月の抱擁、アーリン」のプチオーバーランと合わされば非常にいい仕事をするでしょう。

「薄暮見の徴募兵」は両方のデッキで採用しました。何もできない時にカードアドバンテージを稼いでくれるこのカードが大好きです。歴史的に赤緑はドローが弱いのでアドバンテージを得られるところで得たいのです。

まとめ

人間の部族デッキは赤単と一緒に序盤のスタンダードでトップのアグロになるでしょう。2種類のアンセム(アンセムはここしばらく存在しませんでした)と強力な除去を含め、白いアグレッシブなデッキに必要な全てがあります。

狼男には少々失望してしまいました。かみ合うカードが本当にありません。しかし、一部のカードが単体で強力なので、引き続き「アーリン・コード」を使った赤緑のミッドレンジを作ってみようと思います。

今週はここまでです!次週はもう2つの部族、ゾンビと吸血鬼を見ていきます!


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