2018年6月6日水曜日

【翻訳】ゴブリンの鎖回しが強過ぎ問題 / Is Goblin Chainwhirler Too Good For Standard?【スタン】

スタンやってない私は、正直「たかが1点でしょ?」とゴブリンの鎖回しをなめております。


原文はこちら


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《ゴブリンの鎖回し》を刷ったのは間違いだったのか?

プロツアーが終わったわけだが、ドミナリア発売直後に赤単が隆盛したのはまぐれじゃなかったらしい。
トップ8のうち7デッキで《ゴブリンの鎖回し》が採用された。
そこでプロツアーの結果を分析して赤単一強に対して何かできないか考えてみた。


タフネス1は絶滅する

これだけ《ゴブリンの鎖回し》が使われると、タフネス1を大量に入れたデッキなんか組めない。
《ゴブリンの鎖回し》は《ラノワールのエルフ》や《光袖会の収集者》を戒めるためのカードだったはずで、その役割はきちんと果たしたが、ちょっとやり過ぎたんじゃないか?
《ゴブリンの鎖回し》が印刷されなかったら黒緑が強くなりすぎたんだろうか?
《ゴブリンの鎖回し》がなかったら《ラノワールのエルフ》が暴れまわる、というのはあり得る話だった。

《ラノワールのエルフ》入りの緑系デッキはメタゲーム上、確かに存在した。
結果として、俺が構築戦で1番見たカードは《ラノワールのエルフ》だった。
こういうデッキは赤単に対してそんなに悪くない。
だが、巻きつき蛇のBGが赤単に強いとは思えない。
赤単に強いストンピィが別にある。例えばこういうのだ。


Steel Leaf Stompy
A deck by Aleksa Telarov
 Finished 9th-16th at Pro Tour Dominaria

MAINDECK 60
Creature 27
2 Ghalta, Primal Hunger
4 Llanowar Elves
4 Resilient Khenra
2 Rhonas the Indomitable
4 Servant of the Conduit
4 Steel Leaf Champion
3 Territorial Allosaurus
3 Thrashing Brontodon
1 Verdurous Gearhulk

Spell 11
2 Adventurous Impulse
3 Blossoming Defense
2 Commit // Memory
3 Heart of Kiran
1 Skysovereign, Consul Flagship

Land 22
2 Aether Hub
4 Botanical Sanctum
9 Forest
3 Hashep Oasis
4 Hinterland Harbor

SIDEBOARD 15
2 Aethersphere Harvester
1 Blossoming Defense
1 Crushing Canopy
1 Ghalta, Primal Hunger
2 Lifecrafter's Bestiary
2 Nature's Way
2 Negate
2 Nissa, Vital Force
1 River's Rebuke
1 Skysovereign, Consul Flagship

赤単が黒をタッチしたとしても《無許可の分解》をフル投入することはない。
《縄張り持ちのアロサウルス》が着地してしまうと赤単はかなり厳しい。
《鉄葉のチャンピオン》のデッキのクリーチャーの構成はどれも大体同じだ。青タッチだと《暗記/記憶》を使えるようになる。
このアーキタイプが流行らないのは《燻蒸》のような全体除去を使うコントロールデッキが存在するからだろう。

コントロールデッキは減っているし、このデッキならカウンターを積むこともできる。
もう一つ重要なのはタフネス1のクリーチャーが1種類しか入っていないことだ。
これはいい。《ゴブリンの鎖回し》にやられない。マナ加速には《導路の召使い》もいる。


赤単に強いデッキはあるのか?


このデッキなら赤単と勝負になる。だが、これだけ緑の強力な生物を積み込んでもいい勝負になってしまう。
明らかに《ゴブリンの鎖回し》に勝てるデッキというのはない。だが、思い出してほしい。ティムールエナジーだってどうにかなったんだから。

テスト中、Brad Nelson(SCGの人)が赤黒アグロを"ジャンド"と評した。強いカードをプレイして、サイドボードでゲームプランを色々変えられるあたり、まったくその通りだと思った。
赤単を困らせたデッキにトークンがある。軽量の絆魂クリーチャーはライフレースする上ですごく厄介だ。《暴れ回るフェロキドン》の禁止でトークンは強くなったし、赤単は弱体化した。
赤単は一旦弱くなったが、《ゴブリンの鎖回し》でまた強くなった。


禁止することの問題点


《ラムナプの遺跡》と《暴れ回るフェロキドン》が禁止されたのは記憶に新しい。
カードを禁止するということは、特定のデッキは戦術を弱体化したいという目的がある。
そこで禁止されたカードより強い1枚を印刷するのはマズい。
《ゴブリンの鎖回し》は明らかに《暴れ回るフェロキドン》より強い。
特定のデッキをTier1にしたくてカードを刷る、というのは歓迎だが物事には限度がある。

《ゴブリンの鎖回し》が禁止されるとは思えない。近々ローテーションがあるし、そこで何かしらのテコ入れがあるだろう。
《ゴブリンの鎖回し》は赤を3マナ要求する以上、ローテーション後の赤いデッキで使われるとは限らない。
1マナのクリーチャーを多用する今の環境だからこうなっている。


一番強い《ゴブリンの鎖回し》デッキはなんだろう?


いい質問だが、まだ環境が固まっていない今だと答えにくい。メタゲーム次第だろう。
《ゴブリンの鎖回し》ばっかりの環境だと《ボーマットの急使》を使わなくなる。
コントロールデッキが増えるようなら俺は赤黒アグロを使う。


Black-Red Chains
A deck by Seth Manfield

MAINDECK 60
Creature 27
2 Ahn-Crop Crasher
4 Bomat Courier
2 Glorybringer
4 Goblin Chainwhirler
2 Hazoret the Fervent
3 Kari Zev, Skyship Raider
3 Rekindling Phoenix
4 Scrapheap Scrounger
3 Soul-Scar Mage

Planeswalker 2
2 Chandra, Torch of Defiance

Spell 7
3 Abrade
2 Lightning Strike
2 Unlicensed Disintegration

Land 24
2 Aether Hub
3 Canyon Slough
4 Dragonskull Summit
14 Mountain
1 Swamp

SIDEBOARD 15
1 Canyon Slough
1 Chandra, Torch of Defiance
2 Chandra's Defeat
2 Doomfall
3 Duress
1 Glorybringer
2 Karn, Scion of Urza
2 Magma Spray
1 The Eldest Reborn

これはプロツアーで見かけた赤黒とそんな変わらない。
《削剥》が怖いのと搭乗の条件にイライラしそうで《キランの真意号》は採用しなかった。
《アン一門の壊し屋》は最後に1回押し込むために入れた。
カーリ・ゼブは1枚減らしてもいいかもしれない。

総じて、このデッキは丸い。
ハンデスは黒タッチの理由になる。《残骸の漂着》に備えるには相手のハンドを見てしまうのが一番だ。
テストチームの大半が青白コントロールだったのでかなり勝てた。ここで赤単を使っていたら厳しかっただろう。

でも、プロツアーは赤単を持ち込んでコントロール戦を捨てても問題なかった。
今回トップ8になったThomas Hendriksとテストで対戦したが、Wyatt Darbyの優勝は偶然じゃなかった。
赤単は土地を確実にアンタップインで置いて、ハゾレトを早期に着地させるのが強いんだ。


Mono-Red Aggro
A deck by Wyatt Darby
Finished 1st at Pro Tour Dominaria

MAINDECK 60
Creature 26
2 Ahn-Crop Crasher
3 Bomat Courier
4 Earthshaker Khenra
4 Goblin Chainwhirler
4 Hazoret the Fervent
2 Kari Zev, Skyship Raider
3 Rekindling Phoenix
4 Soul-Scar Mage

Spell 10
4 Abrade
3 Lightning Strike
3 Shock

Land 24
24 Mountain

SIDEBOARD 15
2 Aethersphere Harvester
3 Chandra, Torch of Defiance
3 Chandra's Defeat
3 Fight with Fire
3 Glorybringer
1 Treasure Map

《ボーマットの急使》が3枚なのは違和感があった。だがどうやらこれで問題ないらしい。
《ゴブリンの鎖回し》にやられることもあるだろうが、サイドボードで対応できる。
デッキは軽いカードが満載で、それゆえに《熱烈の神、ハゾレト》を1番強く使える。


プレインズウォーカーにダメージが入る


《反逆の先導者、チャンドラ》や《ドミナリアの英雄、テフェリー》は着地するとまずマイナス能力を起動する。
その時は《ゴブリンの鎖回し》以上の回答はない。

ここに読み合いが発生するわけだが、3ターン目にさっさと出すのではなく手札にとっておき強く使える時に使う。


《損魂魔導士》との組み合わせ


デザインチームが狙ったのかは知らないが、《損魂魔導士》との組み合わせで-1/-1カウンターをばらまくのは酷い。いずれにせよ、《ゴブリンの鎖回し》が使える以上、赤単の最強1マナとなった。
相手が《巻きつき蛇》を使っていたとしても充分強い。


で、《ゴブリンの鎖回し》ってそんなに強いのか?


俺は《ゴブリンの鎖回し》を今出したのは間違いだと思っている。これは赤単がキーパーツを大量に失うローテーション後にすべきだった。
既に赤単が強かったのに赤単を強化するカードを出すのは良くない。
《ラノワールのエルフ》の暴走を止める1枚は欲しかったが、これ以外にもやりようがあったはずだ。

《ゴブリンの鎖回し》が跋扈する環境がしばらく続く。そして色々な赤単が出てくるだろう。
『既にあるアーキタイプを少しいじったようなデッキ』をみんなが使い出すと、環境は止まる。

残念ながら、もう環境が激変する余地は少ない。
UGカーンのようなデッキで環境を動かそうとした人たちはつぶされた。
赤単が正解だと言われている中でプロが赤単を倒せなかったということは、もう環境が動くとは考えにくくて、萎える。




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MTGカード買取のトレトク 

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