2016年6月24日金曜日

【翻訳】Exploring Emrakul, the Promised End/「約束された終末、エムラクール」について考える

既にデッキを作り始めるこの熱意



原文はこちら

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「精神隷属器」は俺の大好きなカードだ。

俺は本来"ティミー"なんだ。俺にマジックを教えてくれた幼馴染もティムだった。ヤツは「ケルドの代将軍」のサイズを大きくする事ばっか考えてた。
5版のブースターから「大地の怒り」が出た時に興奮したのを今でも覚えている。
俺の初めてのデッキには「甲鱗のワーム」が入っており「ガズバンのオーガ」を使おうなんて考えもしなかった。
俺はデカくて、強くて、勝てるカードが大好きだ。その1つが「精神隷属器」

相手のターンをコントロールするというのはマジックで最もユニークで強烈な効果だ。相手のカードを相手に使うのが一番強烈な使い道だ。
除去を自分のクリーチャーに打つ、自分の呪文をカウンターする、プレインズウォーカーで意地悪をする。
戦闘フェイズの最高だ。生物をわざと攻撃させてブロッカー達に潰させる。
何にせよ、相手のターンを奪えればものすごいディスアドバンテージを与える事ができるんだ。

「精神隷属器」が一番危ないのは再利用できる事だ。
その発想は俺にとってあまりに魅惑的で、俺が初めて記事を執筆したネタだった。
「不穏の標」と「白の夜明けの運び手」で「精神隷属器」を何回でも使いまわせた。

Bringing Slaver
Adam Yurchick

クリーチャー(8)
2 黒の夜明けの運び手
2 白の夜明けの運び手
4 思考の急使

呪文(24)
4 無効
4 血のやり取り
4 不穏の標
4 精神隷属器
4 血清の幻視
4 知識の渇望

土地(24)
11 島
2 ミラディンの核
11 沼

サイドボード(15)
3 金属モックス
4 早霜
4 最後の言葉
4 機械の行進


その後、俺は「アカデミーの廃墟」で「精神隷属器」を使い倒し、マナはウルザランドで賄い、GPの決勝にたどり着いた。

Retro Tron
Adam Yurchick
2008 GPフィラデルフィア-2位

クリーチャー(2)
2 隔離するタイタン

呪文(33)
4 アゾリウスの印鑑
2 金属モックス
4 卑下
2 正義の命令
1 仕組まれた爆薬
3 嘘か真か
2 精神隷属器
3 忘却の輪
4 差し戻し
4 知識の渇望
1 トーモッドの墓所
3 神の怒り

土地(25)
1 アカデミーの廃墟
4 神聖なる泉
4 広漠なるスカイクラウド
4 トレイリア西部
4 ウルザの鉱山
4 ウルザの魔力炉
4 ウルザの塔

サイドボード(15)
2 賛美された天使
4 翻弄する魔道士
3 法の領域
3 不忠の糸
3 トーモッドの墓所

このデッキは相手のターンのコントロールを得るだけではない。
相手に選択させるカードが入っている。これによって「嘘か真か」で5枚手札に入れられる。
現行スタンでも「溺墓の天啓」を使えば同じ事ができる。
何故なら相手のターンをコントロールする呪文が異界月に登場したのだから。

「約束された終末、エムラクール」は「引き裂かれし永劫、エムラクール」のテキストを少しひねって、追加ターンを得るのではなく相手のターンをコントロールする能力となった。
追加ターン程の強烈さはないものの、精神隷属器の効果はゲームを終わらせるには充分だ。

「約束された終末、エムラクール」は「精神隷属器」程の酷さはない。相手に追加のターンを与えるからだ。
生物なので「精神隷属器」より使いまわしが簡単だ、例えばバウンスするとか。


「約束された終末、エムラクール」は墓地のカードによってコストを軽くする事ができる。
墓地にあるカードの種類を参照するのは既に昂揚というメカニズムがある。したがってこの新しいエルドラージは昂揚と噛み合う訳だ。
スタンダードには7種類のカードタイプがある。土地、クリーチャー、エンチャント、アーティファクト、プレインズウォーカー、ソーサリーにインスタント。よってエムラクールは6マナまで軽くするkとができる。
これまであまり意識されていなかった昂揚関連のカードが注目されるかもしれない。
そこで、「約束された終末、エムラクール」をサポートするカードを簡単にメモしてみた。

土地
進化する未開地
ねじれ地溝
溺墓の寺院
荒廃した森林
荒廃した湿原
繁殖苗床
ウギンの聖域

アーティファクト
搭載歩行機械
崩れた墓石
面晶体の這行器
面晶体の記録庫

エンチャント
ニッサの誓い
チャンドラの誓い
血統の呼び出し
発生の器
突沸の器
健忘の器

クリーチャー
ヴリンの神童、ジェイス
精神壊しの悪魔
忘れられた作品
破壊の伝道者

インスタント
焦熱の衝動
予期
目録
コジレックの帰還
自然の繋がり
溺墓での天啓

ソーサリー
ウルヴェンワルド横断
マグマの洞察力
残された廃墟
収まらぬ思い
群れの結集
パズルの欠片
天使の粛清
ニッサの巡礼
爆発的植生
熟読
闇の誓願
ニッサの復興
過ぎ去った季節

プレインズウォーカー
深海の主、キオーラ
アーリン・コード
先駆ける者、ナヒリ
炎呼び、チャンドラ

「約束された終末、エムラクール」を唱える段階ならば狙わなくても何種類かのカードタイプが墓地にあるはずだ。よって実際のコストは10マナかそれより少ないくらいだろう。
そうすると「絶え間ない飢餓、ウラモグ」を唱えるようなデッキが使う事になりそうだ。
ランプに新しい方向性が生まれた事で強化されるかもしれない。

今ウラモグを使用しているデッキは赤緑ランプと青赤コントロール、いずれもエムラクールの就職先になりそうだ。

ゴーグルランプが一番いいのではないかと思っている。
ランプしながら種々のカードタイプを墓地に落としながら「ウルヴェンワルド横断」を使える。

ゴーグルランプ
Adam Yurchick

クリーチャー(4)
1 龍王アタルカ
1 約束された終末、エムラクール
2 世界を壊すもの

プレインズウォーカー(2)
2 炎呼び、チャンドラ


呪文(32)
2 崩れた墓石
2 巨人の陥落
3 焦熱の衝動
3 面晶体の記録庫
3 コジレックの帰還
4 マグマの洞察力
4 ニッサの巡礼
3 紅蓮術師のゴーグル
4 苦しめる声
4 ウルヴェンワルド横断

土地(22)
2 燃えがらの林間地
4 溺墓の寺院
1 進化する未開地
8 森
3 獲物道
4 山

サイドボード(15)
1 焦熱の衝動
3 ゴブリンの闇住まい
1 コジレックの帰還
2 引き裂く流弾
3 焙り焼き
4 不屈の追跡者
1 絶え間ない飢餓、ウラモグ


今度のパターンはカードタイプを多くしてみた。
「ニッサの誓い」や「進化する未開地」に生物も入れてエムラクールのコストを下げるって訳だ。

赤緑ランプ
Adam yurchick

クリーチャー(14)
2 死天狗茸の栽培者
4 龍王アタルカ
1 約束された終末、エムラクール
2 面晶体の這行器
4 不屈の追跡者
1 絶え間ない飢餓、ウラモグ

プレインズウォーカー(4)
4 炎呼び、チャンドラ

呪文(20)
4 爆発的植生
4 面晶体の記録庫
4 ニッサの誓い
4 残された廃墟
4 ウルヴェンワルド横断

土地(22)
4 進化する未開地
11 森
2 山
4 見捨てられた神々の神殿
1 荒地

サイドボード(15)
1 面晶体の這行器
3 コジレックの帰還
1 大いなる歪み、コジレック
3 現実を砕くもの
2 焙り焼き
3 歪める嘆き
2 世界を壊すもの


「先駆ける者、ナヒリ」でエムラクールを探すのも強い。
まずは攻撃して、その後手札に戻るとキャストできる。
するとナヤランプになる。ナヒリとアタルカは既に使われている強力な組み合わせだからだ。

ナヤランプ
Adam Yuchick


クリーチャー(10)
2 龍王アタルカ
1 約束された終末、エムラクール
4 森の代言者
1 絶え間ない飢餓、ウラモグ
2 世界を壊すもの

プレインズウォーカー(8)
2 アーリン・コード
4 炎呼び、チャンドラ
2 先駆ける者、ナヒリ

呪文(16)
3 爆発的植生
3 コジレックの帰還
3 ニッサの巡礼
3 チャンドラの誓い
4 ニッサの誓い

土地(26)
2 梢の眺望
3 燃えがらの林間地
8 森
2 山
2 鋭い突端
1 平地
4 ウギンの聖域
4 見捨てられた神々の神殿

サイドボード(15)
3 石の宣告
1 大いなる歪み、コジレック
2 光輝の炎
4 現実を砕くもの
4 難題の予見者
1 荒地

このデッキに「アーリン・コード」を入れたのはエムラクールの速攻をつけるためだ。
速攻をつけるなら滅殺6が欲しいところだが、そうでなくてもいきなり13点与えれば勝てる。


「約束された終末、エムラクール」は青赤コントロールでも楽しい。
奪ったターンを一番楽しく使えるデッキだと思う。
また、ロングゲームを想定したデッキなので墓地には充分カードが貯まる。

青赤コントロール
Adam Yurchick

クリーチャー(9)
3 希望を溺れさせるもの
2 約束された終末、エムラクール
1 忘却蒔き
2 難題の予見者
1 絶え間ない飢餓、ウラモグ

プレインズウォーカー(4)
2 炎呼び、チャンドラ
2 秘密の解明者、ジェイス

呪文(21)
2 予期
1 粗暴な排除
4 意思の激突
1 疑惑の裏付け
3 面晶体の記録庫
2 コジレックの帰還
4 次元の歪曲
4 呪文萎れ

土地(26)
2 進化する未開地
5 島
3 魔道士輪の魔力網
3 山
4 シヴの浅瀬
4 見捨てられた神々の神殿
1 繁殖苗床
4 さまよう噴気孔

サイドボード(15)
1 希望を溺れさせるもの
2 焦熱の衝動
2 コジレックの帰還
2 否認
2 忘却蒔き
1 現実を砕くもの
1 焙り焼き
2 氷の中の存在
2 歪める嘆き

精神隷属器の素晴らしい使い道の一つは、呪文を「意思の激突」X=0にカウンターされたり、「溺墓の天啓」でXドローさせたりする事だ。


他にエムラクールの早期キャストに使えるのは「謎の石の儀式」だ。
「薄暮見の徴募兵」でエムラクールを探せる。
ナヒリとアタルカが既に使われているように、エムラクールで酷い目に合せる動きは強いはずだ。

エムラクールの儀式
Adam Yurchick

クリーチャー
4 薄暮見の徴募兵
4 変位エルドラージ
4 エルフの神秘家
1 約束された終末、エムラクール
4 壌土のドライアド
4 作り変えるもの
1 巨森の予見者、ニッサ
4 反射魔道士

プレインズウォーカー(2)
2 先駆ける者、ナヒリ

呪文(8)
4 集合した中隊
4 謎の石の儀式

土地(24)
4 戦場の鍛冶場
4 進化する未開地
4 森
1 島
3 ラノワールの荒原
1 山
1 平地
2 大草原の川
4 ヤヴィマヤの沿岸

サイドボード(15)
1 龍王アタルカ
4 ドロモカの命令
2 否認
4 現実を砕くもの
4 森の代言者


「久遠の闇からの誘引」を使ってサイドボードからエルドラージを探すのはなかなかぶっ飛んだ発想だ。
エムラクールはいわずもがな、「血統の観察者」に「変位エルドラージ」といったコンボパーツ、「希望を溺れさせるもの」で時間稼ぎ、「難題の予見者」で手札破壊、「世界を壊すもの」でアド差をつけてもいい。

4色エルドラージ
Adam Yurchick

クリーチャー(26)
1 血統の観察者
4 地下墓地の選別者
4 薄暮見の徴募兵
3 変位エルドラージ
4 エルフの神秘家
4 壌土のドライアド
4 反射魔道士
2 ズーラポートの殺し屋

呪文(10)
3 久遠の闇からの誘引
4 集合した中隊
3 謎の石の儀式

土地(24)
4 コイロスの洞窟
4 進化する未開地
3 森
1 島
4 ラノワールの荒原
1 平地
1 沼
2 ウェストヴェイルの修道院
4 ヤヴィマヤの沿岸

サイドボード(15)
1 血統の観察者
1 希望を溺れさせるもの
1 変位エルドラージ
1 約束された終末、エムラクール
2 否認
4 現実を砕くもの
1 難題の予見者
2 精神背信
1 絶え間ない飢餓、ウラモグ
1 世界を壊すもの


「久遠の闇からの誘引」は青赤コントロールのようなデッキの勝ち筋にもできる。

青赤コントロール
Adam Yurchick

プレインズウォーカー(3)
2 炎呼び、チャンドラ
1 秘密の解明者、ジェイス

呪文(30)
4 予期
4 意思の激突
4 久遠の闇からの誘引
4 面晶体の記録庫
4 コジレックの帰還
4 次元の歪曲
2 呪文萎れ
4 虚空の粉砕

土地(27)
4 廃集落
3 高地の湖
2 島
2 伐採地の滝
4 魔道士輪の魔力網
4 シヴの浅瀬
1 見捨てられた神々の神殿
4 さまよう噴気孔
3 ヤヴィマヤの沿岸

サイドボード(15)
1 希望を溺れさせるもの
1 変位エルドラージ
1 約束された終末、エムラクール
1 大いなる歪み、コジレック
2 否認
1 忘却蒔き
2 光輝の炎
1 現実を砕くもの
1 破滅の昇華者
1 難題の予見者
1 絶え間ない飢餓、ウラモグ
1 虚空の選別者
1 世界を壊すもの


トップメタである緑白トークンは偶然にも使っているカードタイプが多い。
少しいじればエムラクールをキャストできるようになり、膠着した盤面を打破できる。
「進化する未開地」や「先駆ける者、ナヒリ」を使うためにナヤにするのが自然だろうか。

ナヒリナヤ
Adam Yurchick

クリーチャー(14)
2 大天使アヴァシン
1 龍王アタルカ
1 約束された終末、エムラクール
3 巨森の予見者、ニッサ
4 森の代言者
3 不屈の追跡者

プレインズウォーカー(8)
2 炎呼び、チャンドラ
3 ゼンディカーの同盟者、ギデオン
3 先駆ける者、ナヒリ

呪文(12)
2 石の宣告
2 ドロモカの命令
4 ニッサの誓い
2 光輝の炎
2 停滞の罠

土地(26)
3 戦場の鍛冶場
3 梢の眺望
3 燃えがらの林間地
4 進化する未開地
5 森
2 要塞化した村
1 山
2 鋭い突端
3 平地

サイドボード(15)
2 翼切り
2 棲み家の防御者
1 龍王ドロモカ
2 ドロモカの命令
2 神聖なる月光
2 ラムホルトの平和主義者
1 保護者、リンヴァーラ
2 光輝の炎
1 悲劇的な傲慢


「約束された終末、エムラクール」でもう一つ知っておきたいのはライブラリーに戻らない点で、「末永く」や「屍術的召喚」でリアニメイトできる。
一見地味だが、13/13の飛行は釣りたい生物という意味では現行スタンダードで一番サイズが大きい。

グリクシスリアニメイト
Adam Yurchick

クリーチャー(13)
2 バーラ・ゲドを滅ぼすもの
2 龍王アタルカ
2 龍王コラガン
3 約束された終末、エムラクール
4 ヴリンの神童、ジェイス

プレインズウォーカー(1)
1 灯の再覚醒、オブ・ニクシリス

呪文(21)
2 強迫
1 末永く
3 闇の掌握
2 衰滅
4 屍術的召喚
4 ジェイスの誓い
1 骨読み
2 餌食
2 究極の価格

土地(25)
2 進化する未開地
1 森
2 風切る泥沼
4 島
3 ラノワールの荒原
1 山
1 ならず者の道
1 シヴの浅瀬
4 窪み渓谷
4 沼
2 さまよう噴気孔

サイドボード(15)
2 強迫
2 衰滅
1 骨読み
4 難題の予見者
2 餌食
2 精神背信
2 悪性の疫病


エムラクールの全ての能力をきちんと使う必要はないが、デッキを組む際に意識はしておきたい。
「約束された終末、エムラクール」を完璧に活かすデッキがあるとしたら、これまでにない新しいアーキタイプになる予感がしている。何故なら最強のカードというものは環境そのものを変える力があるからだ。
異界月から今後どんなカードが出てくるか楽しみでならない。
Melissa DeToraが以前昂揚デッキについて記事(翻訳はこちら)を書いている。

相手のターンを奪った時に出来る事はかなりある。
以下はちょっとした例だ

搭載歩行機械を全部X=0で唱える
荒野の確保をX=0で唱える
サイドボードを見てみる
ドロモカの命令で+1/+1カウンターを自分の生物に載せる
果てしなきものをX=0で出して、エルドラージのミミックのパワーとタフネスを0にして、両方死ぬ
進化する未開地や爆発的植生で土地を探して見つけない
集合した中隊で何も見つけない
ニッサの誓いで何も見つけない
ペインランドでわざわざ色マナ出してダメージを受ける
ウェストヴェイルの修道院で5体生物を生け贄にする
末裔トークンを全部生け贄にする
ナントゥーコの鞘虫や進化の飛躍で生物を全滅させる
死の宿敵、ソリンの-能力で自滅させる

上のリストに何か追加したいものはないかい?
エムラクールをこの他にどう活用してやろうか?
各自考えてみてくれ。

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