2016年4月13日水曜日

【翻訳】...Braaains... Or, a Guide to Zombies in Standard/スタンダードのゾンビ

無情な死者が何やら話題でしたが、ゾンビ弱いで片付けられそうですね。
それはそれで残念なのでゾンビにも頑張ってほしいところです。
吸血鬼も、スピリットも、狼男もね。

原文はこちら

スタンダードのゾンビ

今週はゾンビと吸血鬼について書くつもりでしたが、いくつかのゾンビデッキを作ってからゾンビは殊の外深く、そしていくつかの方向性が考えられました。ゾンビは2枚の重要なカードを手に入れました。

「無情な死者」は究極の消耗戦用カードです。これは攻撃にも防御にも使えます。ゲーム中ずっと2点の攻撃ができます。何故なら相手はこのカードが墓地から何か引き連れてこないか怖くてブロックし辛いからです。防御する場合も同じ事が言えます。他のゾンビを墓地から連れてくる可能性は相手が攻撃をためらうには充分で、だから「無情な死者」は地上をがっちり固めてくれます。

「無情な死者」はたくさんのゾンビ、可能なら戦場に戻しやすい軽めのゾンビを採用したデッキで活躍するでしょう。「無情な死者」を完全に除去する事は困難で相手は攻撃や防御をためらうでしょう、さらに生贄を利用した戦術も「無情な死者」デッキで強いでしょう。

もう1枚の重要カードは「イニストラードを覆う影」からではありませんが、「目覚めし処刑者」です。共に活躍するカードに恵まれなかった「目覚めし処刑者」は「イニストラードを覆う影」以後のスタンダードでようやくチャンスを手に入れました。「目覚めし処刑者」は素晴らしいゾンビロードですが墓地にある時の能力が奇妙です。ゾンビデッキは墓地を肥やしにいくため「目覚めし処刑者」を戦場に戻すコストは高くなります。「目覚めし処刑者」はゾンビが大量に入っていながら、クリーチャーの少ないデッキで真価を発揮します。矛盾しているように思うでしょうが、ゾンビトークンを使うデッキならば問題ありませんね。

この2枚のゾンビはデッキの方向性を2つ示してくれました:ゾンビミッドレンジとゾンビコントロールです。

ゾンビミッドレンジ

クリーチャー(27)
3 戦墓の巨人
3 肉袋の卑族
3 ゲラルフの傑作
4 ヴリンの神童、ジェイス
2 ナントゥーコの鞘虫
1 秘蔵の縫合体
4 無情な死者
4 目覚めし処刑者
3 金切り声のスカーブ
呪文(9)
1 死体結い
3 強迫
3 闇の掌握
2 破滅の道
土地(24)
4 詰まった河口
3 進化する未開地
3 島
4 窪み渓谷
8 沼
2 ウェストヴェイルの修道院

このデッキには強そうな動きがたくさん入っています。多くのカードは説明不要でしょうが、如何にいくつか補足が必要なカードチョイスについて説明します。

「ヴリンの神童、ジェイス」は「マジック・オリジン」の柱で、多くのプレーヤーが「イニストラードを覆う影」以後も用途を探しています。フェッチランドが落ちてから変身が難しくなり何にでも入るカードではなくなりました。マッドネスとは相性がいいですが、そもそもマッドネスってそんなに強いですか?「イニストラードを覆う影」以後のスタンダードで彼の居場所を探すのはとても大変でしょう。私は墓地を肥やしたいゾンビデッキで輝くのではないかと思います。加えて、黒い除去は強いので彼のマイナス能力が活きます。

「ゲラルフの傑作」について色々なご意見を聞きました。多くの人は7/7のフライヤーを戦場に戻すために3枚もカードは捨てたくない、したがって弱いと言います。3枚はたとえ土地しかなくても多いし、除去を捨てるリスクに見合っていません。しかし、このカードの強さは墓地から戦場に戻れる事ではありません。このカードは5マナで7/7だからいいんです。青い5マナのクリーチャーにしてはマナレシオが高すぎます。墓地から戦場に戻せるのはケーキの周りのクリームのような、つまりついでです。

3マナにしては「戦墓の巨人」はたくさん仕事します。「僧院の導師」と「サリアの副官」の中間のように思えます。時には序盤に唱えてゾンビトークンを生成し、時には終盤に大きく出せます。多くの場合、両方の仕事をこなします。「金切り声のスカーブ」と「ヴリンの神童、ジェイス」がいれば3ターン目に2/2よりは大きく出せるでしょう。

青と1マナで2/1のクリーチャーをスタンダードで採用するとは思ってもいませんでしたが、この小物は今回のデッキで重要な役割を担います。彼は「戦墓の巨人」の餌や「目覚めし処刑者」を墓地に落とし、「ヴリンの神童、ジェイス」の変身を助け、「目覚めし処刑者」や「ゲラルフの傑作」を探してくれます。

「ナントゥーコの鞘虫」はかつてのラリーで使うよりは遥かに弱く、それでも採用するのは「無情な死者」を生贄にするためです。この2枚でゆっくりではありますが墓地の全てのゾンビを戦場に戻す事ができます。このデッキは3マナ域が多いので何枚もプレイするべきではないでしょう。

「肉袋の卑族」は除去としても「無情な死者」を1回限定で生贄にするのにも使えます。何枚も採用sるのは少々怖いです、特に「イニストラードを覆う影」以後のスタンダードでトークンが流行るようであれば。

私は「死体結いが大好きです。これは「イニストラードを覆う影」のゾンビとよく合います。これはコントロール相手の消耗戦に強いし、このカードの何がすごいかって墓地のクリーチャーを除外する事で「目覚めし処刑者」を墓地から唱えやすくなるのです。終盤には「目覚めし処刑者」のコストは8マナはいくでしょうし、「死体結い」はそのコストを下げながらクリーチャーを補充します。常に欲しいカードではないと思うので1枚にしました。

「秘蔵の縫合体」は「目覚めし処刑者」と「無情な死者」と「ゲラルフの傑作」との間にシナジーを形成しますが、致命的に遅いので1枚です。このカードは決して手札から唱えたいものではなく、「ヴリンの神童、ジェイス」で捨てたり「金切り声のスカーブ」で墓地に落とすカードです。このカードで出来る強そうな動きは以下の通りです。

2ターン目:ジェイス
3ターン目:ジェイスでルーター、目覚めし処刑者を捨てる
4ターン目:目覚めし処刑者を墓地から唱え、解決前にジェイスを軌道して秘蔵の縫合体を捨て、エンドステップに戦場に戻す、勝ち

どのデッキも「ウェストヴェイルの修道院」を使いたいようですが、このデッキも例外ではありません。ゾンビが地上を埋め尽くしてもゲームに勝てない場合があるでしょう。「ウェストヴェイルの修道院」の出番です。

総じてゾンビミッドレンジは遅いですが強そうなシナジーがいくつか入っています。好きそうなら是非試してみてください。

そしてゾンビを使って全然違うアプロ―チをしてみましょう。

ゾンビコントロール

クリーチャー(7)
4 ヴリンの神童、ジェイス
3 目覚めし処刑者
呪文(28)
3 集中破り
4 血統の呼び声
4 意思の激突
1 疑惑の裏付け
2 溺墓の天啓
4 床下から
3 闇の掌握
3 衰滅
1 殺人衝動
1 潮からの蘇生
2 破滅の道
土地(25)
1 荒廃した湿原
4 詰まった河口
5 島
3 水没した骨塚
4 窪み渓谷
6 沼
2 ウェストヴェイルの修道院

これはゾンビトークンを並べて勝つ、遅いデッキです。「目覚めし処刑者」はクロックを早めてくれるしこのデッキの場合は4マナを超える事は少ないでしょう。「目覚めし処刑者」は手札から唱えるより「ヴリンの神童、ジェイス」や「血統の呼び声」で捨てたり、「溺墓の天啓」で墓地に落としたいカードです。如何に補足説明を記載します。

意思の激突は2マナで使えるし、後手で強いのでスタンダードにおいて比較的まともなカウンターです。このデッキでは「シルムガルの嘲笑」は使えないのでこのカードが2マナで使える数少ない選択肢です。また他のコントロールデッキがしばしばしくじっている、テンポをとる事ができます。

「血統の呼び出し」は強いです。他にやる事がなければ2ターン目に置けばいいし、一度着地すれば対処されにくいマッドネス手段です。起動しない場合が多いでしょうが、トークンの脅威から相手はタフネス1のクリーチャーで攻撃しにくくなります。一度4枚か5枚土地を並べたら相手は「殺人衝動」や「集中破り」といったマッドネス呪文を警戒しなくてはいけません。

多くの方は「取り消し」を弱いと言いますがよく見てみるとスタンダードでは採用に値します。我々は「解消」が使われていた時期を知っていますし、占術がなくとも3マナのカウンターは許容範囲です。「集中破り」は「ヴリンの神童、ジェイス」や「血統の呼び声」があると価値が高まります。

「対抗呪文」に5マナは重すぎますが、手がかりを3枚得られる方が嬉しいです。「血統の呼び声」が戦場にあると相手は色々考えなくてはいけません。相手は「床下から」や「溺墓の天啓」を警戒しますがカウンターが飛んでくるとは考えないでしょう。このカードはコントロールなら1枚は挿したいカードです。

「床下から」が基本的な勝ち筋です。「床下から」の強さは終盤ではボムです。マッドネスと組み合わせると相手のターンの終わりにトークンを大量展開してから相手が対処できない程ライフを得られます。「目覚めし処刑者」と合わせるとどうにも止まりません。

「潮からの蘇生」は5枚目の「床下から」で、充分我慢してから唱えれば大量のゾンビを出します。大きな「溺墓の天啓」の後に唱えるともっといいでしょう。

間違えないように、「ジェイスの創意」ではありません。結果として、「溺墓の天啓」はほとんどの場合あなたが望んだカードが手に入らないでしょう。このカードがやってくれるのは手札の枚数を増やすことです。補充されたカードは「ヴリンの神童、ジェイス」や「血統の呼び声」の燃料になります。このカードの良さは「潮からの蘇生」のために墓地のインスタントとソーサリーを増やしたり、「目覚めし処刑者」を墓地に落としてくれる事です。

青黒コントロールは「命運の核心」が落ちてお困りでしょうが、「衰滅」が代役を果たします。あなたの盤面も崩壊するので使い時は慎重に考えましょう。普通のコントロールデッキのように、序盤に戦場を綺麗にしてからゾンビを出しましょう。

「ウェストヴェイルの修道院」は何にでも入りそうで、このデッキにも入ります。失ったライフは「床下から」や「血統の呼び声」で補充できます。このデッキにはトークン生成手段がたくさんあるので変身も比較的容易でしょう。土地がたくさん並んでいて、カウンターが手札にあるなら変身しちゃっていいでしょう。

ゾンビはかつての部族とは違ってミッドレンジっぽいです。ゾンビデッキは消耗戦になると色々できます。これは間違いなくゆっくりしたゲームが好きな人向けです。ゾンビには大きな可能性があり、今回のリストは非常にいいスタート地点だと思いますよ。

次週は皆さまの希望に合わせてデッキを組んでみますね。


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