2016年5月23日月曜日

【雑記】お笑いライブを見に行ったら笑えない事になった

男子禁制、女人禁制といった言葉にやりきれない思いをした事はないだろうか。

だが、これは時として有り難い言葉である。


建物や部屋の入り口に『男子禁制』と書いてあれば、俺は入ろうとは思わないし、多くの男性もそうだろう。反対もまた然りである。
男子禁制という事はその中では女性があられもない姿になっている可能性もある訳であるから、きちんと入り口にそう書いておく事で事故を避けている訳である。

町中であればエステサロンは要注意である。あそこは男子禁制とは書いていないが男子禁制である事が多い。
それとヨガスタジオ。ヨガスタジオは女性専用スタジオがたまにあるのでヨガを始めたい男性は事前の調査が必須である。ホームページにはそこら辺の情報はきちんと書いてある。

さて、このような書き出しをしている以上、タイトルも相まって、これからの話は大よそ予想がつくと思うのだが一応書いておく。


現在のお笑いライブも、実質男子禁制だ。


お笑いのライブというものは古くはどれくらい遡るのか知る由もないが、例えばビートたけしは浅草のストリップ劇場出身である。
ストリッパーの踊りの合間の20分くらいは芸人がコントをやっていたりしていたそうで、ビートたけしは青春時代、そのようなコントで盛ったおっさん連中を笑わせていた訳だ。
少なくとも当時はお笑いライブは男も見ていたという事である。

ビートたけしの青春時代については「浅草キッド」でも読めば解ります。
主な効能は『浅草に行ってみたくなる』です。



それからウン十年も経った今、俺は果たして何を思ったのか、衝動的にとにかくお笑いライブを見てみたくて「神保町花月」に行ってみた。

その日の演目は「サルゴリラとライスとしずるのライブ」
しずると言えば村上がイケメンなもんで女性ファンは多いんだろうなぁと漠然と考えていた。
サルゴリラとライスは知らん。そもそも俺は吉本芸人がそこまで好きくない。
じゃあ何処が好きなのかって?ホリプロだ。ホリプロの有名どころはさまぁ~ずとバナナマン、スピードワゴンetcな。


しかし、事前調査なしに新しいところに飛び込むのはホント危険だ。
劇場の客席に座って、5分かそこらで俺はすぐ絶望した。


大体100人くらい入りそうな客席に90人くらいの客が座ったのだが、男は俺だけだったからね。

しかも座席が後ろの方のど真ん中で結構いい位置だったんだけれど、両隣は知らない女の子。
当たり前だ、俺以外全員女の子だったんだから。


落ち着け、ここで変な行動とったらどんな目に合うか解ったもんじゃない。
「この人痴漢です」と冗談でも言われるだけで俺の人生は終了する。
「違う」と言ったところで誰も信用しないだろう。だって、女89対男1だぜ?

しかも座席がいちいち狭いの。多分男が座る事を想定していない。
一歩間違えたら隣の子に触れそうで、触れたら最後、「この人痴漢です」が飛んできそうで、隣に女の子が座った瞬間、ここまで縮めるんだ俺って自分で驚くくらい身をキュウッと縮めた。

できるだけ平静を装おうとするが、俺の周りだけ一足早い夏が訪れたのかってくらい汗が止まらない。
汗ふいてるところ見られるだけでも「何このおっさん気持ち悪い」とか思われそうで、かといって汗がダラダラ流れるままってのも変なにおいまき散らしそうだしで、鞄のギャッツビー探すんだけど、こういう時に限ってなかなか見つからないのね。
見つからないと余計汗が流れる悪循環。

汗の問題とギャッツビーでどうにか解消して、ふと右の女の子見るとスマホでツイッターやってるのが見えた。
これは・・・「花月来たら隣の席に変なおっさんがいるマジあり得ない」とか書かれるパターンじゃないの?

また、汗が流れる。


なんかもう始まる前から帰りたい衝動に駆られるんだけど、座席が真ん中で既に横はびっちり女の子たちが座ってて、ここで「はいすいません通りますよ」なんてできないんですよ。チキンだから。

そこで「はい通りますよおっさん場違いだから帰りますよー」とズケズケと通れればどれだけよかったか。
自分の弱さに失望する。


そんな永遠とも思える10分間を過ごした後、とうとう開園である。

会場は最初っからキャーキャーと黄色い声援、黄色い笑い声で溢れるが、俺は笑えなかったよね。でおっさんの汚い笑い声が混ざったら一瞬で黒に染まりそうで。黄色い声援がどす黒く染まりそうで、俺はニヤニヤするのが限界だった。
そのニヤニヤがまた気持ち悪かったんだろうけれど、そこは大丈夫、観客は目の前の芸人に夢中なのだから。

内容は面白かったのに、隣の女の子はあっはあっは笑っているのに、ただ静かににんまりする事しかできない俺。

内容は面白かったのにね、なんか敗北感というか、悲しかったよ俺は。


という事で俺の文章力で書けるのはせいぜいこんなもんですが、興味ある人は一緒に飲みましょう。きっちり話して差し上げます。

個人的な反省は吉本の劇場を選んだ事で、今度お笑いを見に行く時は巷の小劇場を探しますわ。


こんな感じの話はいくつか持っているので(意識高い系シェアハウスで心のシャッターを閉店ガラガラした話とか)、気が向いた時に、何か経験した時に、ここにまた書こうと思います。

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