2016年5月23日月曜日

【翻訳】How (Not) to Lose in Modern/俺がモダンでどうにか自信をつけるまで

前回、前半を翻訳しながら「この人マズくない?」と不安視していましたが、後半はどうにか自分なりの回答にたどり着けたようです。

SCGの頃からプレイ動画をいつも見ていて、個人的に愛着あるプレーヤーなので他人事ながら一安心です。

ちなみに、私が回しているエターナルブルー(青単タイムワープ)は箸にも棒にも掛かりませんでしたな。あっは。

原文はこちら


週の頭に書いた記事で、モダンの試運転でいろいろやらかした件について書いた。
かなり色々なデッキを回したが、前回紹介しきれないデッキもあったので今回はそれを紹介しようと思う。

デッキが自分のやりたい事と違うかどうかは意外とすぐ解る。
いくつかのデッキは初戦で違うと気づいてしまった。
「結果は1-4だったからこのデッキは悪い」という判断はデッキの良し悪しを決める上ではマズい事は解っている。結果しか見ないという事は、引き、技量、当たり運、プレイミスその他諸々を無視しているのだ。
前回の記事で俺が不採用としたデッキは、カード同士の繋がりが好みではなかったという話で結果が云々という話ではない。

例えばの話だが、けちソプターで1-4だった時は俺のデッキじゃないと判断した。それ以後一度も触っていない。
同じくマルドゥも最初は1-4だったが、これは再び5回戦にのぞんだ。
いずれも結果は同じだが、片方は継続して回せば調整できそうだったが、もう片方は俺には調整できなさそうだという事である。

それでは、デッキを見ていこう。

・マルドゥ

土地
4 乱脈な気孔
4 黒割れの岸
2 血染めのぬかるみ
3 乾燥台地
2 湿地の干潟
1 山
1 神無き祭殿
2 聖なる鋳造所
1 血の墓所
2 沼
2 平地

クリーチャー
1 幽霊議員、オブゼダート
4 闇の腹心
3 僧院の導師
1 ゴブリンの闇住まい

呪文
2 稲妻のらせん
3 未練ある魂
2 コラガンの命令
4 先駆ける者、ナヒリ
4 稲妻
4 流刑への道
3 思考囲い
4 コジレックの審問
1 妄信的迫害

サイドボード
2 石のような静寂
1 苦渋の破棄
3 コーの火歩き
2 神々の憤怒
2 安らかなる眠り
1 妄信的迫害
2 殺戮の契約
1 強迫
1 墓掘りの檻

マルドゥは自作していた。結果は芳しくなくても長い事回していたし、芳しくないにも関わらず俺はマルドゥが強いと信じていた。
何回もの敗北を通じてデッキの構成を固める事ができたし、このデッキが負ける状況というものを突き止めることができた。



ナヒリの受け皿としてマルドゥがジェスカイより優れていると考えているのは、カウンターと重たいプレインズウォーカーがかみ合わないと考えているからだ。
ジェスカイは各カードは強力だが、シナジーがあるようには見えなかった。
多くのカードが喧嘩していた、例えば「マナ漏出」と「流刑への道」、又は「謎めいた命令」とナヒリ、といったように。

このマルドゥは個々のカードパワーはジェスカイに劣る、「瞬唱の魔導士」とかが入っていないから。だが、シナジーはある。
ハンデスはナヒリとも導師どもかみ合う。最初はモンクトークンを製造し、終盤はナヒリで捨てればいい訳だ。

リリアナとナヒリを同時に使うのは危険だと感じた。
例えばリリアナを3ターン目に出したとすると4枚目の土地はナヒリを出すために使いたいので捨てたくない。そして選択肢が狭まる。
したがってリリアナではなく導師と組み合わせた方が強いと判断した。


・ナヤ/RHのブリーチ/タイタン

土地
4 溶鉄の尖峰、ヴァラクート
2 燃えがらの林間地
4 踏み鳴らされる地
1 聖なる鋳造所
3 血染めのぬかるみ
4 樹木茂る山麓
5 山
2 森

クリーチャー
4 原始のタイタン
4 桜族の長老
1 ムル・ダヤの巫女

呪文
4 ニッサの誓い
4 先駆ける者、ナヒリ
4 神々の憤怒
2 召喚士の契約
4 遥か見
4 裂け目の突破
4 明日への探索

サイドボード
3 大祖始の遺産
4 強情のベイロス
3 稲妻
2 再利用の賢者
1 ガイアの復讐者
2 耳障りな反応


それと、以下が前回のSCGオープンでトップ4に入ったDaniel Hendricksonのリストだ

土地
2 燃えがらの林間地
4 溶鉄の尖峰、ヴァラクート
3 乾燥台地
4 踏み鳴らされる地
4 樹木茂る山麓
6 山
2 森

クリーチャー
2 ピア・ナラーとキラン・ナラー
4 原始のタイタン
2 ムル・ダヤの巫女
4 桜族の長老

呪文
4 ニッサの誓い
3 召喚士の契約
4 明日への探索
4 遥か見
4 裂け目の突破
4 稲妻

サイドボード
2 塵への崩壊
3 神々の憤怒
2 墓掘りの檻
3 呪文滑り
3 強情なベイロス
1 大祖始の遺産
1 再利用の賢者




このデッキのナヒリは「ニッサの誓い」のおかげで「血染めの月」を貼られてもプレイできたし、「血染めの月」それ自体を除去できたので非常にいい仕事をした。
しかしナヤが純正RGより強いかについてはなんとも言えない。
結果としてDaniel Hendricksonのデッキの方が私のより優れていたと思う。



GPにこれで出ようとは思わなかったが、このデッキの勝率はとてもよかった。このデッキの速度と強さは好きだった。
興味深いのは「裂け目の突破」で出すのはエムラクールより「原始タイタン」の方が良かった点だ。
エムラクールを入れて回した事もあったが、緑タイタンの方がいいと気づいた瞬間に抜いた。

メモ:序盤にできるだけ山を出す事。1ターン目にフェッチランドで持ってくるのは森ではなく「踏み鳴らされる地」だ。
「裂け目の突破」を唱えるのは基本的に土地が5枚出ている時だ。最初に「原始のタイタン」が出た時の土地サーチはヴァラクート2枚と山が最低4枚あるようにする。そうすると緑タイタンが攻撃に入った時の土地サーチで山を2枚場に出して12点のダメージになる。
このダメージと緑タイタンの6点はモダンにおいては致命傷になる。ショックランドとフェッチランドで相手のライフは勝手に14になっていたりするもんだ。

俺は何回か3キルをした。
1ターン目:明日への探索を待機
2ターン目:桜族の長老か遥か見
3ターン目:裂け目の突破から緑タイタン

このデッキには感謝している。


・アブザンカンパニー

土地
2 ガヴォニーの居住区
1 沼
1 平地
1 神無き祭殿
2 寺院の庭
1 草むした墓
4 吹きさらしの荒野
4 新緑の地下墓地
2 剃刀境の茂み
2 地平線の梢
3 森

クリーチャー
4 極楽鳥
3 貴族の教主
2 臓物の予見者
1 呪文滑り
2 復活の声
2 族樹の精霊、アナフェンザ
2 シルヴォクののけ者、メリーラ
2 根の壁
1 悪鬼の狩人
1 オルゾフの司教
3 永遠の証人
4 台所の嫌がらせ屋
1 残忍なレッドキャップ
1 漁る軟泥

呪文
4 集合した中隊
4 召喚の調べ

サイドボード
1 目覚ましヒバリ
1 静寂の守り手、リンヴァーラ
1 エイヴンの思考検閲者
2 潮の虚ろの漕ぎ手
1 クァーサルの群れ魔導士
1 ブレンタンの炉の世話人
2 罪の収集者
2 石のような静寂
2 突然の衰微
2 流刑への道




このデッキは一番勝てた。3リーグで5-0、4-1、4-1だったし、デッキの動きも良かった。
GPで使うならこれかなぁ、なんて考えていた。

アブザンカンパニーはアドを取れるし、速やかに無限ライフや無限ダメージに入れる、「ガヴォニーの居住区」もあるのでビートダウンプランも採用できる、「召喚の調べ」と「集合した中隊」によって状況に応じた回答を引っ張りだせる。



だが、アブザンカンパニーは少々の不安があった。
まず親和は厳しい。したがって「石のような静寂」と「戦争の報い、禍汰奇」をもう少しサイドボードに入れたい。

トロンもかなり大変だ。トロン対アブザンカンパニーはモダンで一番絶望的な対戦になるだろう、そしてトロンは今増え始めている。トロンは多くのデッキに有利がつくし、MOでもいい成績を残している。トロンは数多くのリーグで5-0を記録している。
これにビビった。
前回のSCGオープンで2日目にアブザンカンパニーは1つも進出していない反面、トロンは10人は進出していた。2つの点は綺麗につながる。



また、ジェスカイナヒリもアブザンカンパニーに有利だと考えている。
俺はジェスカイを回していた時アブザンに勝ってたし、アブザン使っていた時はジェスカイに負けた。
ジェスカイは「神々の憤怒」と「至高の評決」で盤面を綺麗にし、カンパニーはナヒリを処理しにくい。
ジェスカイはエムラクールでライブラリーを永遠に修復できるので無限ライフも通用しない。アブザンカンパニーのライブラリーがなくなるまでエムラクールで墓地を修復すればいいのだから。

それから、原始のタイタンにも不利だと考えた。
「神々の憤怒」と「原始のタイタン」に対して「台所の嫌がらせ屋」はあまり効果的ではない。


・アブザンミッドレンジ

俺は子供なのでマナクリからデカ物を出して相手を倒すのが好きだ。

土地
2 乱脈な気孔
4 吹きさらしの荒野
4 新緑の地下墓地
1 地平線の梢
1 沼
2 草むした墓
1 神無き祭殿
1 寺院の庭
2 森
3 剃刀境の茂み
1 平地
2 ガヴォニーの居住区

クリーチャー
4 タルモゴイフ
2 極楽鳥
3 先頭に立つもの、アナフェンザ
4 包囲サイ
4 復活の声
4 貴族の教主
3 台所の嫌がらせ屋

呪文
1 大渦の脈動
2 突然の衰微
3 未練ある魂
2 ゼンディカーの同盟者、ギデオン
4 流刑への道

サイドボード
1 死の支配の呪い
2 石のような静寂
1 大渦の脈動
4 思考囲い
1 記憶殺し
1 苦い真理
3 虚空の力戦

このデッキがフォーマットで一番いいかはさておき、GPで使おうか検討していた、ただ好きだから。
サイドボードも好みだ。このデッキを苦しめるカードに対するちゃんとした回答が入っている。
「崇拝」が少し入ればもう何も言う事はない。



アナフェンザはモダンでものすごく強い。彼女は「稲妻」が効かないし、加えて色々な物にぶっ刺さる。アブザンカンパニー、御霊の復讐、ドレッジ、リビングエンド、電結の荒廃者等々
また彼女は速やかにゲームを終わらせられる、特に「包囲サイ」が後に続くと。
2ターン目アナフェンザ、3ターン目サイ。夢みたいじゃないか。

このデッキはコンボが厳しい。決まらない事を祈るしかない。


・バントエルドラージ

土地
1 地平線の梢
1 繁殖池
4 エルドラージの寺院
1 島
1 幽霊街
1 寺院の庭
4 吹きさらしの荒野
1 溢れかえる岸辺
1 森
1 平地
2 ヤヴィマヤの沿岸
3 魂の洞窟
3 低木林地

クリーチャー
3 変位エルドラージ
4 現実を砕くもの
4 難題の予見者
4 作り変えるもの
4 希望を溺れさせるもの
1 世界を壊すもの
4 貴族の教主
4 タルモゴイフ

呪文
4 古きものの活性
4 流刑への道

サイドボード
1 スラーグ牙
4 墓掘りの檻
2 石のような静寂
3 機を見た援軍
1 世界を壊すもの
2 否認
2 仕組まれた爆薬

Todd Stevensが最近のSCGオープンでこのデッキを使い11位になった。
最初はこのデッキは怪しいと思っていたが回してみて今はいいデッキだと思っている。
このデッキで結構勝てたのと同時に、まだまだ改善の余地があると思った。



タルモゴイフがこのデッキでは微妙だ。大体2/3止まり。
サイドボードも今の環境に合わせていじるべき部分が多い。
それにしてもこのデッキはパワーがあるし、正しく調整できればすごい事になりそうだ。
このデッキは最有力候補だ。


最近試運転したデッキは以上だ。
記事を締めくくる前にいくつか試運転に至らなかったデッキを紹介しようと思う。

バーン:過大評価だと思う。今回試した大体のデッキで勝てた。
親和:デッキは強い。トップ8に何個か入るだろう。
感染:現行モダンの最強デッキ。最速のコンボデッキできちんと警戒しなければならない。
トロン:感染と並んで最強。環境に合っているので最も多く対戦する事になると考えている。めっちゃビビってる。
ブルームーン:個人的には微妙だと思っている。しかし「氷の中の存在」、「ゴブリンの闇住まい」と「祖先の幻視」が加わった事から何か革命が起きるかもしれない。
エルフ:MOでよく蹂躙された。アブザンカンパニーくらいの強さがある。Tier1かそれに近い立ち位置だろう。


それでは楽しいモダンライフを。

推薦図書

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