2016年5月16日月曜日

【翻訳】Friday The 13th

マジックの各エキスパンションは必ず、ティミージョニースパイクの各タイプ用のカードが刷られるそうです。
所謂カスレアが刷られるからこそ、マジックの発展がある訳ですね。


原文はこちら


(前略、13はヤバいって話とかカードの絵が13にきっちり関連づいている話とかが書かれています)


「十三恐怖症」は検討すべき事が多すぎて構築には向いていない。君と君の対戦相手のライフは常時変動する事からきっちり調整するのが困難である。
真っ当に考えると「十三恐怖症」はライフを調整する事に注力すべきである。
このコンセプトは初めての事ではなく、「碑出告の第二の儀式」が既にある。
いずれにせよ、「十三恐怖症」は遣り甲斐がある。ペインランドが再録されているからだ。


「十三恐怖症」の誘発に合せて対戦相手はペインランドで逃げられてしまう。無色マナを要求するエルドラージの隆盛によりペインランドは多用されている。
種々のデッキはメインボードできっちり対策できてしまう。
萎える話だが、かといって諦めるのはまだ早い。


このペインは相手を守ると同時に君の身も守ってくれる。
我々は黒マナが必要だが、同時にエルドラージの無色マナを使う事もできる。無色のエルドラージはコントロールに向いている事から出発点にはふさわしい。
さらにいくつかの工夫とマナカーブとシナジーを意識すればペインランドだって乗り越えられる。
加えて、全てのカードの採用枚数を1か3か13にすれば最高だ。

クリーチャー(13)
3 静寂を担うもの
1 終末を招くもの
3 本質を蝕むもの
3 作り変えるもの
3 現実を砕くもの

呪文(21)
3 血統の呼び出し
3 死の重み
3 ハグラへの撤退
3 十三恐怖症
1 次元の歪曲
3 究極の価格
1 禍々しい協定
1 闇の誓願
3 骨読み

土地(26)
13 沼
1 荒地
1 荒廃した湿原
3 コイロスの洞窟
1 進化する未開地
3 ラノワールの荒原
3 海門の残骸
1 ウェストヴェイルの修道院

サイドボード(15)
3 忍び寄る驚怖
1 悪性の疫病
1 灯の再覚醒、オブ・ニクシリス
1 無限の抹消
3 衰滅
3 知恵の拝借
3 破滅の道


ぴったり13体の生物が君がライフを調節する時間を稼いでくれる。
彼らの多くは戦闘や能力によってライフを増減させられる。
「本質を蝕むもの」はいい出発点でドレイン能力をもっている。序盤に役立つし、終盤でも重要となる。このクリーチャーが活躍できるように無色マナ源は充分に用意した。
「作り変えるもの」はこのデッキで最も多才だ。「死の重み」「ハグラへの撤退」又は次の「作り変えるもの」になる。土地でもよい、呪文をより早く唱えられるからだ。
「静寂を担うもの」は黒と無色の組み合わせの中で最高だ。除去のついた飛行生物は序盤の打点にふさわしく、「十三恐怖症」による勝利が早くなる。
「現実を砕くもの」はプレインズウォーカー殺しで、タダ強だ。
最期に「終末を招くもの」は単体で膠着を打開できるカードだ。プレーヤーにダメージを飛ばせるので対戦相手のライフを13に近づける事も、自分のライフを13から遠ざける事もできる。


「死の重み」はスタンダードの黒にとっては確実で、完璧で、効果的なカードだ。
赤には「焦熱の衝動」があるが、「死の重み」はインスタントである利点を犠牲にして確実性を手に入れた。これは序盤の立ち上がりを止めるだけでなく、大きな生物を弱くする事もできる。「作り変えるもの」から出てくれば超お得だ。
「究極の価格」は同様に大小の生物に有効だ。
「骨読み」はドローとライフをコントロールするのに有用だ。
「ハグラへの撤退」は自分と相手のライフを毎ターン調整できる。ドレインしなくてもクリーチャーに接死を与える事ができる。
「血統の呼び出し」は引き過ぎた除去、エンチャント、土地を捨てることができる。この1枚で勝てる事もあるし、チャンプブロッカーを用意できるのは便利だ。ライフの調整はもちろん大事で、絆魂のマネージメントも当然重要だ。
一部がピン挿しであるため、「闇の誓願」は必要なカードを手札に加えるのを手伝ってくれる。これで生物も除去も、それ以外の勝ち筋も見つけられる。これだけ除去があれば魔巧の達成は困難ではない。
「次元の歪曲」はデッキ構築に変革をもたらした。無色にインスタント除去が登場したのだ。このカードは致命的な生物、「森の代言者」や白い人間を除去できる。
最期に「禍々しい協定」は相手のライフを減らす事ができるし、自分の手札を補充する事もできるし、相手にとどめを刺す事もできる。いずれにしろ、この強力な呪文によって勝利は確実に近づくだろう。


13枚の沼は黒マナの必要性からも理にかなっている。残りの土地は無色マナを探したり、供給したりするものだ。
「コイロスの洞窟」や「ラノワールの荒原」はこのデッキにとってはどちらでも変わらない。
「海門の残骸」は除去で枯渇した手札を補充してくれる。これは「血統の呼び出し」ともシナジーがある(血統の呼び出しで意図的にハンドを0枚にする事ができる)。
「荒廃した湿原」は最高の選択だ。「悪魔の布告」を土地で打てるのはカウンターされないという事である。
「進化する未開地」は「ハグラへの撤退」を2回誘発させられる。
荒地は無色マナ源としては最弱だが、「進化する未開地」のおかげで採用できる。
「ウェストヴェイルの修道院」とその裏はこのデッキではいくつかの役割がある。(他のデッキでは障害となりがちだが)無色マナを生む。次にこれはトークンを生み出してライフの調整を手伝ってくれる。最後に吸血鬼のトークンが充分あればオーメンダールとなってゲームを終わらせる。


サイドボードはいくつかの実験といくつかの必要なもので占められている。
「衰滅」は環境で一番の全体除去だ。また、カンパニー相手には適度なタイミングで減速させられる。
「破滅の道」は環境で最も強力な単体除去だ。プレインズウォーカーの忠誠度に関わらず終わらせられる。「炎呼び、チャンドラ」「死の宿敵、ソリン」と「ゼンディカーの同盟者、ギデオン」がいるなら採用する理由として充分だ。
無難なサイドボードはこれまでにして、「忍び寄る驚怖」は「海門の残骸」のために手札を0枚に維持させてくれる。これは相手をコントロールするのにも有用だ。相手はドローゴーがやり難くなる。マナを不足させておくことで「十三恐怖症」に対応する余裕を失わせるのだ。また、同じタイプのカードを捨てた時を想像するとたまらない。しかし、これは「狡猾な忘術士」に呪禁がついたようなものでしかない。
「知恵の拝借」はデッキによく噛み合う。「強要」はサイドボード後のカウンター、ハンデス、エンチャント破壊はこちらを萎えさせる。
「無限の抹消」は「知恵の拝借」と同じ枠だが、多少の運が試される。
「灯の再覚醒、オブ・ニクシリス」は脅威になるし、「悪性の疫病」はトークン対策だ。


このリストにたどり着くまでに時間を要した。まずテーマから構築するのが好きなんだ。
テストプレイの後、何が4枚必要か、2枚か、1枚か入れないかが見えてくる。
テストには1か月程要したが、「十三恐怖症」の最終版が完成した。
このデッキは生物中心のアグレッシブなデッキやミッドレンジに強かった。カウンターできない布告除去のおかげでコントロールとも戦えた。「龍王オジュタイ」単体であれば「静寂を担うもの」がいれば怖くなかった。
他の多くのデッキはこのデッキの除去をかいくぐれる程の物量がなく、つまり「十三恐怖症」で結構勝てたのだ。


敗因は除去しにくいクリーチャーとプレインズウォーカーであった。このデッキにはプレインズウォーカーに対する回答は「現実を砕くもの」しかない。「炎呼び、チャンドラ」と「死の宿敵、ソリン」は大問題であった。
話が変わるが、ライフゲインも問題で、こちらはあまり生物を用意できない。
つつがなく相手の生物を枯らしても、こちらも何もする事がないといった状況がしばしば発生した。
それが一番の問題である。


当たり前だが、「十三恐怖症」は使っていて奇妙なカードである(相手も同じ気持ちだろうけどさ)。
能力がアップキープに誘発して、スタックに乗るので調整するのがものすごく大変なのだ。
慣れないと訳が解らなくなる。ライフの上げ下げのやり取りによってアップキープが私のターンで最も長いフェイズになった。
結果的に慣れたが、これは練習のたまものだ。


このデッキに一番の良さは相手を恐怖に陥れる事だ。相手はじっくり、慎重に最善手を考えなければならなくなる。相手はペインランドを出しても立てておかないといけなくなる。
それができない相手はブロックや除去で13から逃げようとする。
相手は「乱脈な気孔」と「ゲトの裏切り者、カリタス」の使い道を考え直す羽目になる。
ライフゲインすればいいという話ではなくなるのだ。
ペインランドはトリッキーで人によってはペインランドを使わない事でディスアドを感じた事だろう。
「十三恐怖症」はあらゆるアーキタイプに対する挑戦なのだ。


難しいデッキだったが、総じて愛すべきデッキであった。デッキにはアグロ耐性があり、組み合わせても単体でも強力なサイドボードがあった。
コントロールとも渡り合えた。怖い動きがほとんどなかったのだ。
このデッキはサイドボードをしにくいそうだ。
あるゲームでは「十三恐怖症」だけで勝ち、サイド後は「現実を砕くもの」で殴り切った。
スタンダードはこのいずれのカードにも回答が少ない、それがこのデッキの強みである。
君自身が厄介なプレーヤーになって勝利を勝ち取るのだ。


このデッキの課題はメタゲームに合わせた調整だろう。「死の重み」や「次元の歪曲」が君の地域で最適とは限らない。


クリーチャー(12)
3 静寂を担うもの
1 エレボスのタイタン
4 作り変えるもの
4 現実を砕くもの

呪文(24)
3 血統の呼び出し
3 死の重み
3 ハグラへの撤退
3 十三恐怖症
3 次元の歪曲
3 究極の価格
3 骨読み
3 破滅の道

土地(24)
7 沼
1 荒地
3 荒廃した湿原
4 コイロスの洞窟
1 進化する未開地
4 ラノワールの荒原
4 海門の残骸
1 ウェストヴェイルの修道院

サイドボード(15)
1 終末を招くもの
3 忍び寄る驚怖
1 死の重み
3 悪性の疫病
3 衰滅
3 知恵の拝借
1 破滅の道


「現実を砕くもの」と「作り変えるもの」は最初のバージョンから出世した。
「本質を蝕むもの」は悠長すぎたので毎回サイドアウトしていた。
「終末を招くもの」はメインデッキに採用するには遅すぎたし、大きすぎた。
「エレボスのタイタン」はマナカーブ的にぴったりだったし、現環境ではいいサイズだ。
「次元の歪曲」は大活躍だったのと、「破滅の道」はメインの60枚に昇格した。
「荒廃した湿原」は完璧すぎて「闇の誓願」でサーチすらした。
マナフラッド気味だったので2枚削って、無色マナを出しやすくした。


このバージョンはより強く、プレインズウォーカーとも戦えるようになったので満足している。
修正後のサイドボードも環境トップのデッキと渡り合えるようになった。
マナ基盤もほぼ完ぺきだろう。


もし、現実に十三におびえているなら、少しは気が楽になれるかもしれない。
実はこの記事の各文章は全て丁度13字になっている(気になる方は各自原文を見て確かめてください。私もいくつか検証しましたが、確かに・・・・・・)


ライフはマジックの基本だが、特定の値を気にする機会は滅多にない。
君ならどうやって「十三恐怖症」のためにライフ管理をするかい?


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