2016年6月1日水曜日

【翻訳】The Metagame, and the Top 3 New Decks from Standard GP Weekend/先週のGPのメタゲーム分析と(俺の主観で選んだ)デッキベスト3

スタンダードももちろんやります。

瓶詰め脳にも触れたかったので。

原文はこちら


先週末はスタンダードのGPが2回開催された。
カバレージに各GPの1日目のトップ100、いくつかのデッキ解説に最終的なトップ32が公表されている。

メタゲームについて2つのGPは大体似ていたが、それでも多少の違いはあった。
例えば白ウィニーはミネアポリスに多かったが、マンチェスターではナヤミッドレンジの方が多かった、といった風にだ。

メタゲームを俯瞰して眺め、次のコスタリカに向けて情報が欲しかったのでデータを少し加工する必要があった。
そこで以下の通りに点数をつけてランキングを作成した。

・1日目の上位100デッキに1点
・最終順位が5位~32位のデッキに3点
・最終順位が4位以内のデッキに5点


いささか簡易で雑な分析だが、2つのトーナメントを掛け合わせた上で大体の傾向はつかめる。
10点以上を獲得したアーキタイプは以下の通り。


1位:緑白トークン/96点
2位:バントカンパニー/63点
3位:ナヤミッドレンジ/38点
4位:白黒コントロール/37点
5位:白単人間/34点
6位:グリクシスコントロール/31点
7位:3色(4色)謎の石の儀式/29点
8位:赤緑ランプ/18点
9位:緑黒(スゥルタイ)コントロール(ミッドレンジ、ランプ)/17点
10位:青単エルドラージランプ/10点


このテーブルは緑白トークンが未だに倒すべき相手である事を示している。
追随しているのはバントカンパニーだが、分析の都合で「「サリアの副官」を入れた型と入れていない型を合算している(両者の数は概ね同じで、デッキの大半はそこまで変わらない)。


緑白トークンとバントカンパニーはGPマンチェスターの決勝でぶつかった。これは、この2つのアーキタイプがスタンダードの2大トップメタである事を示している。
その下にいくつものコントロール、ミッドレンジ、アグロ、儀式デッキが存在しており、どれも良く知られたデッキだが、このタイミングで衝撃のデッキがいくつか登場した。
順番に紹介しよう。

・青黒瓶詰め脳

土地
9 沼
5 島
4 窪み渓谷
4 詰まった河口
2 進化する未開地
1 荒廃した湿地

呪文
1 精神背信
2 破滅の道
2 骨読み
4 パズルの欠片
4 衰滅
2 千里眼
2 闇の誓願
1 熟読
3 潮からの蘇生
1 否認
1 予期
4 闇の掌握
2 究極の価格
2 シルムガルの命令
1 疑惑の裏付け
3 瓶詰め脳

サイドボード
2 精神背信
2 否認
2 究極の価格
1 破滅の道
1 骨読み
1 死の重み
1 払拭
2 強迫
1 無限の抹消
2 ゲトの裏切り者、カリタス

生物なしのコントロールを組みたいのであれば、このデッキがぴったりだろう。
ここでもう少し詳しく学べるが、要するに青黒コントロールでドローも除去もフィニッシャーも入っているというだけの事だ。


このデッキの目標は「瓶詰め脳」によるコンボから「潮からの蘇生」を唱える事だ。
相手のターン終了時に唱える事で大量のゾンビを展開して致命的なダメージを叩き込む、相手は「衰滅」や「石の宣告」といったソーサリー除去を打てないまま。
勝つために採用されたドローは「パズルの欠片」で、このデッキの場合2枚以上のインスタントかソーサリーが手札に入る確率は84.3%だ。


Peterによるとこのデッキは種々のデッキに勝てるが、「現実を砕くもの」に弱いのだそうだ。
そして彼はメインからリアスマされてトップ8を逃し、その後も何回か負けてしまった。
それでもPeterはオリジナルのデッキで10-5を記録した。

・青赤飛行

土地
9 島
7 山
4 さまよう噴気孔
4 シヴの浅瀬

クリーチャー
4 次元潜入者
4 鎖鳴らし
4 層雲の踊り手
4 黄金夜の懲罰者

呪文
4 極上の炎技
4 焦熱の衝動
4 意思の激突
4 呪文萎れ
4 熱線の幻視

サイドボード
4 ゴブリンの闇住まい
4 否認
4 焙り焼き
3 大地の断裂

これは1マナクリーチャーや火力ではなく2マナのフライヤーとカウンター呪文を使ったアグロだ。一見奇妙だが、齋藤のカード選択は今のメタゲームに噛み合っている。
環境を定義しているカードは、私見だが、「森の代言者」「集合した中隊」「ゼンディカーの同盟者、ギデオン」と「衰滅」だ。
ここから3つの事が解る。

1つ目は貧弱なクリーチャーで地上を攻めるのは白と緑の生物に阻まれて絶望的だという事。
そこで生物を大きくするか(「サリアの副官」とか「永遠の見守り」とか)、飛ぶしかない。
緑白トークンもバントカンパニーも除去が薄い上に飛行持ちが少ないため、飛行には弱い。
だから白ウィニーは「グリフの加護」を使うし、齋藤のクリーチャーは全て飛行持ちなのである。

2つ目は「集合した中隊」やギデオンに1対1交換の除去を唱えている時点でもう負けているという事だ。
超高速展開(1マナを20枚入れるとか)するかカウンターマジックをしかけるかしないといけない。
「意思の激突」と「呪文萎れ」は綺麗に1対1交換ができるしマナもそこまで使っていない。
これは完璧だ。マナを立たせたまま戦えるように瞬速持ちのクリーチャーを採用している。

3つ目、アグロで「衰滅」に立ち向かうには「衰滅」で死なない生物を入れる必要がある。
ギデオンや「鋭い突端」なんかはそうだが、齋藤の回答も問題ない。
「層雲の踊り手」は「衰滅」をカウンターするし、「黄金夜の懲罰者」と「熱線の幻視」は衰滅が効かないし、「鎖鳴らし」と「次元潜入者」は-4/-4が解決した後に出せばいい。

以上の点からこの青赤デッキのやろうとしている事が好きだ。
齋藤はミネアポリスで12-3という結果を残し、解説はここを見てくれ。

・青単プリズン


土地
24 島

呪文
4 プリズムの指輪
4 ジェイスの聖域
4 予期
4 岸の飲みこみ
4 水撃
3 一日のやり直し
4 収まらぬ思い
4 水の帳の分離
4 熟読
1 潮からの蘇生

サイドボード
4 ヴリンの神童、ジェイス
4 氷の中の存在
4 否認
2 侵襲手術
1 変位の波

疑いようもなく、このデッキは今回の1位だ。
俺が解説記事を書いたのだが、Martinは天才だっただけでなく彼自身のオリジナルのデッキで多いに楽しんでいた。

ざっくり動きを説明すると、
1ターン目にプリズムの指輪
2ターン目に予期
3ターン目に水撃
4ターン目にジェイスの聖域
5ターン目に岸の飲みこみからの一日のやり直し
この時点で相手にはデッキの半分くらいが割れているがライフは20を超えているだろうし、相手の場に生物はいない、そしてこちらの場には「ジェイスの聖域」が残っている。
そしたら、「水の帳の分離」を打つまで好きにすればいい。
最高じゃないか。

Martinは12-3という結果に終わり、俺は彼にデッキを貸してくれるよう頼んだ。
今週コスタリカに持っていこうと思う。
しばらくMOで試運転はするが、本当にGPはこれで出るかもしれない。


どれか気に入ったデッキはあっただろうか、又は既に試したものはあったかな?
それとも、もっと衝撃的なデッキでも見つけたかな?

次回TTTは6月4日です。
次回HMOは未定です。


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